社会保険給付金制度とは?退職前後に受け取れる手当の種類・条件・申請方法を徹底解

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「退職を考えているけど、収入が途絶えるのが不安…」

「社会保険からどんな給付金がもらえるのか、よくわからない…」

このような悩みを抱えている方は少なくありません。

実は、社会保険給付金制度を正しく理解し活用すれば、退職後も最大28ヶ月分の給付金を受け取れる可能性があるのです。

社会保険給付金には主に9種類あり、それぞれの組み合わせ方次第で受給額を最大化することができます

たとえば、傷病手当金(最長18ヶ月)と失業手当(最長10ヶ月)を連続して受給することで、合計で数百万円の給付金を手にした方もいます

この記事では、社会保険給付金の全9種類について、受給条件・支給額・申請方法を初心者にもわかりやすく解説します。

さらに、効率的な受給方法や注意点、あなたの状況別におすすめの給付金までご紹介していきます。

最後まで読むことで、退職前後の経済的不安を大きく軽減できるはずです

【社会保険給付金の情報収集に役立つおすすめサイト】

サイト名 特徴 おすすめポイント
全国健康保険協会(協会けんぽ) 健康保険の公式情報を提供 傷病手当金・出産手当金の正確な情報を入手できる
ハローワークインターネットサービス 雇用保険の公式窓口 失業手当の受給条件や手続き方法を確認できる
日本年金機構 年金制度の公式情報を発信 障害年金・遺族年金・老齢年金の詳細を把握できる
厚生労働省 各種制度の法令情報を掲載 最新の法改正情報をチェックできる

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条件を満たせば、傷病手当金や失業保険などの給付金を数十万円〜数百万円受け取れる可能性があります。

退職後の生活に不安を感じている方こそ、まずは自分の受給資格を確認してみてください。

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目次

社会保険給付金制度とは何か?対象となる5つの公的保険

社会保険給付金制度とは、病気・ケガ・失業・出産・介護など、さまざまな事情で収入が減少した際に公的保険から支給される給付金の総称です。

日本では、会社員や公務員は原則として社会保険に加入しており、毎月の給与から保険料が天引きされています

この保険料を支払っているからこそ、いざというときに給付金を受け取る権利が生まれるのです。

「社会保険給付金」という言葉を聞いて「怪しいのでは?」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、これは国が定めた正式な制度であり、厚生労働省によれば傷病手当金だけでも年間10万人以上が申請し、約3,600億円が支給されています

社会保険給付金の対象となる公的保険は、以下の5つに分類されます

保険の種類 主な給付内容 代表的な給付金
健康保険 病気・ケガ・出産時の保障 傷病手当金、出産手当金、高額療養費
厚生年金保険 老後・障害・死亡時の保障 老齢年金、障害年金、遺族年金
雇用保険 失業・育児・介護時の保障 失業手当、育児休業給付金、介護休業給付金
労災保険 業務上の病気・ケガの保障 休業補償給付、療養補償給付
介護保険 介護が必要になった時の保障 介護サービス費用の給付

これらの保険は相互に連携しており、状況に応じて複数の給付金を組み合わせて受給することも可能です。

ただし、給付金は自動的に支給されるものではありません

すべて自分で申請手続きを行う必要があるため、制度を知らないと本来受け取れるはずの給付金を逃してしまうことになります

参考:全国健康保険協会「保険給付の種類」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat710/sb3160/sb3170/

まずは自分がどの給付金の対象になるかを正しく把握することが、賢く制度を活用する第一歩となります

社会保険給付金の全9種類一覧|受給条件・支給額・シミュレーション

社会保険給付金には様々な種類がありますが、退職前後に特に関係が深い9つの給付金について詳しく解説します

それぞれの給付金について、受給条件・支給額・計算方法・シミュレーション例を具体的にご紹介していきます

自分の状況に当てはまるものがないか、ぜひチェックしてみてください。

なお、各給付金の金額や条件は変更される場合があるため、申請前には必ず公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします

①失業手当(基本手当)

失業手当は、雇用保険から支給される代表的な給付金で、正式名称は「基本手当」といいます

会社を退職して失業状態にある方が、再就職活動を行う間の生活を支えるために設けられた制度です。

「失業保険」という呼び方で知られていますが、これは通称であり、正確には雇用保険の基本手当を指します。

支給額は離職前6ヶ月間の賃金をもとに計算され、おおよそ給与の50〜80%程度が支給されます

賃金が低い方ほど給付率が高くなる仕組みになっており、低所得者への配慮がなされているのが特徴です。

【支給元】
雇用保険

【受給条件】

  • 離職前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上あること
  • ハローワークで求職の申込みを行っていること
  • 就職する意思と能力があり、積極的に就職活動を行っていること
  • 現在失業状態にあること

【支給額の計算式】

賃金日額 = 離職前6ヶ月間の賃金総額 ÷ 180日
基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%)
支給総額 = 基本手当日額 × 所定給付日数

【受給期間】
90日〜330日(年齢・勤続年数・離職理由により変動)

自己都合退職と会社都合退職では、給付制限期間や給付日数に大きな違いがあります

項目 自己都合退職 会社都合退職
給付制限 2ヶ月(2025年4月以降は1ヶ月に短縮予定) なし
給付日数 90日〜150日 90日〜330日(優遇)
必要な被保険者期間 12ヶ月以上 6ヶ月以上

【所定給付日数の目安】

  • 勤続10年未満・自己都合退職 → 90日
  • 勤続10年以上・自己都合退職 → 120日
  • 勤続20年以上・自己都合退職 → 150日
  • 勤続10年以上・会社都合(45歳以上60歳未満) → 240日〜330日

【シミュレーション例】
月給30万円・勤続10年・35歳・自己都合退職の場合

賃金日額:30万円 × 6ヶ月 ÷ 180日 = 10,000円

基本手当日額:約5,900円(給付率約59%)

支給総額:5,900円 × 120日 = 約70万円

参考:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html

②育児休業給付金

育児休業給付金は、1歳未満の子どもを養育するために育児休業を取得した場合に、雇用保険から支給される給付金です。

休業中の収入減少を補填し、安心して育児に専念できるよう設計されています

男性も対象となるため、パパ育休を取得する際にもこの制度を活用できます

支給額は休業開始時の賃金の67%で、180日経過後は50%に減額されます

保育園に入れないなどの事情がある場合は、最長2歳まで延長することも可能です。

【支給元】
雇用保険

【受給条件】

  • 1歳未満の子を養育するために育児休業を取得していること
  • 休業開始前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あること
  • 育児休業終了後に職場復帰する予定があること
  • 休業期間中の賃金が休業前の80%未満であること

【支給額の計算式】

支給額 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%(180日経過後は50%)

【受給期間】
原則として子が1歳になるまで(最長2歳まで延長可能)

期間 支給率
休業開始〜180日目 67%
181日目以降 50%

【シミュレーション例】
月給30万円の場合

最初の6ヶ月:30万円 × 67% = 約20万円/月

6ヶ月以降:30万円 × 50% = 約15万円/月

1年間の合計:20万円 × 6ヶ月 + 15万円 × 6ヶ月 = 約210万円

③介護休業給付金

介護休業給付金は、家族の介護のために休業した場合に、雇用保険から支給される給付金です。

高齢化社会が進む中で、仕事と介護の両立を支援するための重要な制度となっています

介護離職を防ぎ、働きながら家族の介護ができるよう設計されている点がポイントです。

対象となる家族は、配偶者・父母・子・祖父母・兄弟姉妹・孫・配偶者の父母で、要介護状態にあることが条件です。

支給額は休業開始時の賃金の67%で、対象家族1人につき通算93日まで受給できます

【支給元】
雇用保険

【受給条件】

  • 要介護状態にある家族を介護するための休業であること
  • 休業開始前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あること
  • 休業中に会社から支払われる賃金が休業前の80%未満であること
  • 介護休業終了後に職場復帰する予定があること

【支給額の計算式】

支給額 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%

【受給期間】
対象家族1人につき通算93日まで(3回まで分割取得可能)

【シミュレーション例】
月給30万円の場合

1ヶ月あたり:30万円 × 67% = 約20万円

最大受給額:約20万円 × 約3ヶ月 = 最大約60万円

④老齢年金(老齢厚生年金・老齢基礎年金)

老齢年金は、一定の年齢に達した際に支給される年金で、老後の生活を支える基盤となる給付金です。

国民年金からは老齢基礎年金が、厚生年金からは老齢厚生年金が支給されます

会社員として働いていた方は、両方を受け取ることができるため、自営業の方よりも手厚い年金を受給できます

原則として65歳から受給開始となりますが、繰上げ受給(60歳から)や繰下げ受給(75歳まで)も可能です。

繰上げの場合は1ヶ月あたり0.4%減額、繰下げの場合は1ヶ月あたり0.7%増額されます

【支給元】
厚生年金保険・国民年金

【受給条件】

  • 受給資格期間(保険料納付済期間と免除期間の合計)が10年以上あること
  • 原則65歳に達していること(繰上げ・繰下げ可能)

【支給額の目安】

年金の種類 支給額(2024年度)
老齢基礎年金(満額) 年間約81万円(月額約6.8万円)
老齢厚生年金 加入期間・報酬額により個人差あり

老齢厚生年金の計算は複雑ですが、大まかには「平均標準報酬額 × 加入期間 × 一定の乗率」で算出されます

【シミュレーション例】
平均年収500万円・加入期間40年の場合

老齢厚生年金:約110万円/年

老齢基礎年金:約81万円/年

合計:約191万円/年(月額約16万円)

⑤障害年金(障害厚生年金・障害基礎年金)

障害年金は、病気やケガによって生活や仕事が制限されるようになった場合に支給される年金です。

「障害」と聞くと身体障害をイメージする方が多いですが、うつ病・統合失調症・がん・糖尿病なども対象になる場合があります

働きながらでも受給できる点が特徴で、収入があっても障害等級に該当すれば受給資格があります

障害等級は1級から3級まであり、1級が最も重度で支給額も多くなります

なお、障害基礎年金は1級と2級のみが対象ですが、障害厚生年金は3級まで対象となります

【支給元】
厚生年金保険・国民年金

【受給条件】

  • 初診日に被保険者であること(または被保険者であった方で60歳以上65歳未満)
  • 保険料納付要件を満たしていること
  • 障害等級1〜3級(厚生年金)または1〜2級(基礎年金)に該当すること

【支給額の目安】

障害等級 障害基礎年金(年額) 障害厚生年金
1級 約100万円 + 子の加算 報酬比例の年金額 × 1.25 + 配偶者加給年金
2級 約81万円 + 子の加算 報酬比例の年金額 + 配偶者加給年金
3級 (対象外) 報酬比例の年金額(最低保障あり)

傷病手当金を受給している方が障害年金を受給する場合は、調整が行われることがあります

具体的には、障害厚生年金の日額が傷病手当金の日額を下回る場合のみ、差額が傷病手当金として支給されます

⑥遺族年金(遺族厚生年金・遺族基礎年金)

遺族年金は、被保険者または年金受給者が亡くなった際に、その遺族に支給される年金です。

残された家族の生活を保障するための重要なセーフティネットとして機能しています

遺族の範囲や受給要件は、遺族基礎年金と遺族厚生年金で異なります

遺族基礎年金は「子のある配偶者」または「子」が対象で、子が18歳年度末を迎えると支給が終了します

一方、遺族厚生年金は要件により終身受給も可能で、より手厚い保障が受けられます

【支給元】
厚生年金保険・国民年金

【受給条件】

  • 被保険者または年金受給者が死亡したこと
  • 遺族が配偶者・子・父母・孫・祖父母のいずれかであること
  • 保険料納付要件を満たしていること

【支給額の目安】

年金の種類 支給額
遺族基礎年金 年間約81万円 + 子の加算(子のある配偶者または子が対象)
遺族厚生年金 死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4

遺族基礎年金における「子の加算」は、1人目・2人目が各約23万円、3人目以降が各約7.6万円です

⑦傷病手当金

傷病手当金は、業務外の病気やケガで働けなくなった際に、健康保険から支給される給付金です。

休業中の収入を補填し、安心して療養に専念できるよう設計されています

うつ病・適応障害・パニック障害などの精神疾患も対象となるため、メンタル面で働けない状態が続く場合にも活用できます

支給額は標準報酬月額の3分の2で、目安としては給与の約67%が支給されます

最長1年6ヶ月(通算)受給することができ、退職後も条件を満たせば継続して受給可能です。

【支給元】
健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)

【受給条件】

  • 業務外の病気やケガで療養中であること
  • 療養のため労務に服することができない状態であること
  • 連続3日以上休業していること(待機期間の完成)
  • 休業中に給与が支払われていないこと(または傷病手当金より少額であること)

退職後に継続して受給するためには、以下の条件も必要です

  • 退職日までに継続して1年以上被保険者であったこと
  • 退職日に傷病手当金を受給しているか、受給できる状態であること
  • 退職日に出勤していないこと

【支給額の計算式】

1日あたりの支給額 = 支給開始日以前12ヶ月間の標準報酬月額の平均 ÷ 30日 × 2/3

【受給期間】
最長1年6ヶ月(通算)

2022年1月からの法改正により、支給期間が「通算」方式に変更されました

途中で出勤した日があっても、その分は支給期間にカウントされないため、実際に傷病手当金を受給した日数が通算1年6ヶ月に達するまで受給できます

【待機期間について】
傷病手当金は、連続3日間の休業後、4日目から支給が開始されます

この最初の3日間を「待機期間」と呼び、有給休暇や土日祝日も含めてカウントされます

待機期間中は傷病手当金は支給されませんが、この3日間は給与の有無に関係なく待機期間として成立します。

【シミュレーション例】
月給30万円の場合

1日あたりの支給額:30万円 ÷ 30日 × 2/3 = 約6,667円

1ヶ月あたりの支給額:6,667円 × 30日 = 約20万円/月

最大受給額:約20万円 × 18ヶ月 = 最大約360万円

参考:全国健康保険協会「傷病手当金」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/

⑧出産手当金

出産手当金は、健康保険の被保険者が出産のために仕事を休み、給与が支払われない場合に支給される給付金です。

出産前後の収入減少を補填し、安心して出産に臨めるよう設計されています

産休中の経済的支援として、多くの働く女性が利用している制度です。

支給額は傷病手当金と同様に標準報酬月額の3分の2で、産前42日から産後56日まで支給されます

多胎妊娠(双子以上)の場合は、産前の期間が98日まで延長されます

【支給元】
健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)

【受給条件】

  • 健康保険の被保険者であること
  • 出産のため仕事を休んでいること
  • 休業中に給与が支払われていないこと(または出産手当金より少額であること)

【支給額の計算式】

1日あたりの支給額 = 支給開始日以前12ヶ月間の標準報酬月額の平均 ÷ 30日 × 2/3

【受給期間】

出産の種類 産前 産後 合計
単胎妊娠 42日 56日 98日
多胎妊娠 98日 56日 154日

【シミュレーション例】
月給30万円・単胎妊娠の場合

1日あたりの支給額:30万円 ÷ 30日 × 2/3 = 約6,667円

支給総額:6,667円 × 98日 = 約65万円

なお、出産手当金と傷病手当金を同時に受給することはできません

両方の受給資格がある場合は、出産手当金が優先して支給されます

⑨高額療養費

高額療養費は、1ヶ月の医療費自己負担額が上限額を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。

入院や手術などで高額な医療費がかかった際に、家計への負担を軽減する役割を果たしています

「医療費が払えない」という不安を解消してくれる、非常に重要な制度といえます

自己負担上限額は年収によって5段階に分かれており、年収約370〜770万円の方は約8万円+αが目安となります

事前に「限度額適用認定証」を取得しておけば、窓口での支払いを最初から上限額に抑えることができます

【支給元】
健康保険・国民健康保険

【受給条件】

  • 1ヶ月の医療費自己負担額が上限額を超えたこと
  • 保険適用の医療費であること

【自己負担上限額の目安(70歳未満)】

年収の目安 自己負担上限額(月額)
約1,160万円以上 252,600円 +(医療費−842,000円)× 1%
約770〜1,160万円 167,400円 +(医療費−558,000円)× 1%
約370〜770万円 80,100円 +(医療費−267,000円)× 1%
約370万円以下 57,600円
住民税非課税 35,400円

【シミュレーション例】
年収500万円・医療費100万円(3割負担で30万円支払い)の場合

自己負担上限額:80,100円 +(1,000,000円 − 267,000円)× 1% = 約87,430円

払い戻し額:300,000円 − 87,430円 = 約212,570円

さらに、同一世帯で1年間に3回以上高額療養費の支給を受けた場合、4回目以降は「多数回該当」として上限額がさらに引き下げられます

参考:全国健康保険協会「高額な医療費を支払ったとき」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3030/r150/

傷病手当金→失業手当の連続受給で最大28ヶ月分を受け取る方法

傷病手当金と失業手当を連続して受給することで、最大28ヶ月分(45歳以上は最大30ヶ月分)の給付金を受け取れる可能性があります

この方法は「社会保険給付金の最大化」として注目されており、正しく手続きを行えば合法的に数百万円を受給できます

仕組みとしては、病気やケガで働けない期間は傷病手当金を受給し、回復後に失業手当を受給するという流れになります

【連続受給の仕組み】

  • 在職中に傷病手当金の申請を開始する
  • 退職後も傷病手当金を継続受給する(最長18ヶ月)
  • 回復したら失業手当に切り替える(最長10ヶ月)
  • 合計で最大28ヶ月分の給付金を受給

【重要なポイント】
この方法を実現するためには、退職後に「受給期間延長手続き」をハローワークで行う必要があります

通常、失業手当の受給期間は退職日の翌日から1年間ですが、病気やケガで働けない場合は最大3年間まで延長できます

この延長手続きをしておかないと、傷病手当金を受給している間に失業手当の受給期間が過ぎてしまい、失業手当を受け取れなくなってしまいます

【具体的なスケジュール例】

時期 手続き・受給内容
2024年4月末 退職日
2024年5月〜2025年10月 傷病手当金受給(18ヶ月)
退職後30日経過後〜 ハローワークで受給期間延長申請
2025年11月〜2026年8月 失業手当受給(10ヶ月)

【シミュレーション例】
月給30万円・勤続20年・45歳・自己都合退職の場合

傷病手当金:約20万円/月 × 18ヶ月 = 約360万円

失業手当:約5,900円/日 × 150日 = 約88万円

合計:約448万円

【注意点】

  • 傷病手当金と失業手当は同時に受給できない
  • 失業手当を受給するには医師の「就労可能証明」が必要
  • 受給期間延長の申請を忘れないこと
  • 虚偽の申請は不正受給となり、返還命令や罰則の対象になる

社会保険給付金と失業保険(雇用保険)の違いを正しく理解する

「社会保険給付金」と「失業保険」は混同されやすい言葉ですが、正確に理解しておくことが大切です。

「社会保険給付金」は、健康保険・厚生年金・雇用保険などから支給される給付金の総称です。

一方、「失業保険」は雇用保険から支給される基本手当の通称であり、社会保険給付金の一部に含まれます

つまり、失業保険は社会保険給付金という大きなカテゴリの中の一つの制度ということになります

【主な違いの整理】

項目 傷病手当金 失業手当(基本手当)
支給元 健康保険 雇用保険
対象者 病気・ケガで働けない人 失業中で就職活動をしている人
支給額 標準報酬月額の2/3 賃金日額の50〜80%
最長期間 1年6ヶ月(通算) 90日〜330日
同時受給 不可(どちらか一方のみ) 不可(どちらか一方のみ)

【併給できるもの・できないものの整理】

併給できない組み合わせ

  • 傷病手当金と失業手当
  • 傷病手当金と出産手当金(出産手当金が優先)
  • 傷病手当金と労災保険の休業補償給付

併給できる組み合わせ(調整あり)

  • 傷病手当金と障害年金(差額支給)
  • 傷病手当金と老齢年金(退職後の場合、差額支給)

この違いを理解しておくことで、自分の状況に最適な給付金を選択し、効率的に受給することができます

社会保険給付金を受け取る5つのメリット

社会保険給付金を活用することで、退職前後の生活に大きなメリットがあります

制度を知らずに損をしている方が多いため、ここではぜひ知っておいていただきたい5つのメリットを詳しく解説します

これらのメリットを理解することで、給付金申請へのモチベーションが高まるはずです。

退職後の生活費を確保しながら療養・転職活動ができる

社会保険給付金の最大のメリットは、収入が途絶える不安を解消できることです。

病気やケガで働けなくなった場合、傷病手当金を受給することで月収の約67%を確保できます

また、退職後の転職活動中は失業手当を受給することで、焦らずじっくりと次の仕事を探すことができます

給付金があることで「早く働かなければ」というプレッシャーから解放され、自分に合った職場を見つける余裕が生まれます

実際に、傷病手当金と失業手当を合わせて約400万円以上を受給し、療養と転職活動に専念できたという声も多く聞かれます

状況 活用できる給付金 期待できる効果
病気・ケガで療養中 傷病手当金 治療に専念できる
転職活動中 失業手当 焦らず就職先を探せる
育児中 育児休業給付金 子育てに集中できる
介護中 介護休業給付金 仕事と介護を両立できる

傷病手当金は非課税|税金がかからず手取りが増える

傷病手当金は非課税所得として扱われるため、所得税や住民税がかかりません

給与の場合は総支給額から税金や社会保険料が差し引かれますが、傷病手当金はそのまま手元に残ります

たとえば月給30万円の方が傷病手当金を受給する場合、約20万円がそのまま振り込まれます

給与として20万円を受け取る場合は手取りが約17万円程度になることを考えると、実質的な手取り額は傷病手当金の方が多くなるケースもあります

ただし、傷病手当金を受給している年の翌年に支払う住民税は、前年の所得(給与を受け取っていた期間)に基づいて計算されるため、その点は注意が必要です。

受給期間中も国民年金の免除申請が可能

退職後に傷病手当金や失業手当を受給している期間は、国民年金保険料の免除申請ができる場合があります

失業を理由とした「特例免除」が適用されると、前年の所得に関係なく審査が行われます

免除が認められると、保険料を支払わなくても年金の受給資格期間に算入されます

全額免除の場合でも、将来受け取れる年金額の2分の1は保障されます

免除の種類 保険料 年金額への反映
全額免除 0円 1/2
3/4免除 約4,200円/月 5/8
半額免除 約8,300円/月 6/8
1/4免除 約12,500円/月 7/8

※2024年度の国民年金保険料は月額16,980円

免除を受けた期間は、後から追納(10年以内)することで満額の年金を受け取ることも可能です

精神的な余裕を持ってキャリアを見直せる

給付金を受給している期間は、自分のキャリアについてじっくり考える時間を持つことができます

お金の心配をしなくてよい状態で、資格取得のための勉強や、新しい分野へのチャレンジを検討できます

実際に、傷病手当金を受給しながら療養し、その後失業手当を受給しながら職業訓練を受けてキャリアチェンジに成功した方もいます

ハローワークでは、失業手当を受給しながら職業訓練(公共職業訓練)を受けることができ、訓練期間中は給付日数が延長される制度もあります

焦って転職先を決めてしまい、またすぐに辞めてしまうよりも、給付金を活用して納得のいく転職を実現する方が長い目で見てプラスになります

知恵袋でも多い疑問「働けない期間の収入ゼロ」を回避できる

Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトには、「退職後の収入がなくて不安」「傷病手当金の存在を知らなかった」という投稿が多く見られます

社会保険給付金の制度を知っていれば、このような不安を回避することができます

以下は、よくある「知らなかった」パターンです

  • 退職後すぐに失業手当を申請したため、傷病手当金を受給できなかった
  • 傷病手当金の存在を知らず、病気なのに無理して働き続けた
  • 受給期間延長の手続きを知らず、失業手当の受給期間が過ぎてしまった
  • 高額療養費を知らず、医療費を全額自己負担してしまった

これらの「知らなかった損」は、制度を正しく理解していれば防げるものです

社会保険料を毎月支払っているのですから、その対価として受け取れる給付金はしっかり受け取るべきです

社会保険給付金制度のデメリット・注意点|申請前に確認すべきリスク

社会保険給付金には多くのメリットがありますが、申請前に知っておくべきデメリットや注意点もあります

これらを理解しないまま申請すると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります

ここでは、申請前に確認すべき7つのリスクについて詳しく解説します。

申請手続きが複雑で書類不備による遅延リスクがある

社会保険給付金の申請手続きは、想像以上に複雑です

必要書類が多く、記入方法も細かいルールがあるため、初めての方は戸惑うことが多いでしょう

特に傷病手当金の申請では、以下の書類が必要になります

  • 傷病手当金支給申請書(被保険者記入用)
  • 傷病手当金支給申請書(事業主記入用)
  • 傷病手当金支給申請書(療養担当者=医師記入用)

書類に不備があると審査が遅れ、給付金の振り込みも遅くなります

協会けんぽの場合、書類到着から支給まで約2週間かかりますが、不備があれば1ヶ月以上かかることもあります

申請前には記入例をよく確認し、不明点があれば健康保険組合や協会けんぽに事前に問い合わせることをおすすめします

傷病手当金と失業手当は同時に受給できない

傷病手当金と失業手当は、同時に受給することができません

傷病手当金は「働けない状態」の人が対象であり、失業手当は「働く意思と能力がある人」が対象です

この条件は相反するため、両方を同時に受給することは制度上認められていません

もし傷病手当金を受給中に失業手当の申請を行うと、傷病手当金の受給資格を失う可能性があります

逆に、先に失業手当を受給してしまうと、傷病手当金の申請ができなくなる場合があります

両方を最大限に活用したい場合は、まず傷病手当金を受給し、回復後に失業手当に切り替えるという順番を守ることが重要です

虚偽申請は不正受給となり返還命令・罰則の対象

給付金の申請において虚偽の申告をすると、不正受給として厳しい処分を受けます

不正受給が発覚した場合、以下のペナルティが科される可能性があります

処分内容 詳細
支給停止 以後の給付金支給が停止される
返還命令 不正に受給した金額の全額返還
納付命令 不正受給額の最大2倍相当額の納付(失業手当の場合)
詐欺罪 悪質な場合は刑事罰の対象になることも

よくある不正受給のケースとしては、以下のようなものがあります

  • 実際は働けるのに「働けない」と申告する
  • アルバイト収入があるのに申告しない
  • 就職が決まったのに届け出ない

不正受給は必ずバレます

雇用保険のシステムは各事業所とつながっており、就職した情報はすぐに把握されます

正直に申告し、正当な権利として給付金を受け取ることが大切です

受給中のアルバイト・副業は減額または停止の可能性あり

傷病手当金や失業手当を受給している期間中に、アルバイトや副業を行うと給付金が減額または停止される場合があります

傷病手当金受給中の就労制限

傷病手当金は「労務に服することができない」状態であることが条件です

そのため、アルバイトなどで収入を得ると、傷病手当金の支給が停止される可能性があります

ただし、軽微な作業(短時間・軽作業など)であれば認められるケースもあるため、事前に健康保険組合に確認することをおすすめします

失業手当受給中のアルバイトルール

失業手当の場合は、一定のルール内であればアルバイトが認められています

項目 基準
1日の労働時間 4時間未満は「内職・手伝い」扱い、4時間以上は「就労」扱い
週の労働時間 週20時間以上になると「就職」とみなされる可能性あり
収入の申告 認定日にハローワークへ必ず申告が必要

4時間以上働いた日は「就労」として扱われ、その日の失業手当は支給されません(後日に繰り越し)

また、収入額によっては基本手当日額から控除される場合もあります

いずれの場合も、必ず事前にハローワークや健康保険組合に確認し、正直に申告することが重要です

退職代行・給付金サポート業者利用時の注意点

近年、「社会保険給付金サポート」を謳う民間業者が増えています

これらの業者は、給付金の申請手続きをサポートしてくれるサービスを提供しています

しかし、利用する際には以下の点に注意が必要です

高額な手数料を請求されるケース

多くの給付金サポート業者は、受給額の10〜15%程度を手数料として請求します

たとえば400万円を受給した場合、40〜60万円が手数料として差し引かれることになります

自分で申請すれば無料という事実

傷病手当金も失業手当も、自分で申請すれば費用は一切かかりません

必要な情報は、協会けんぽやハローワークの公式サイトで無料で入手できます

窓口で相談すれば、担当者が丁寧に教えてくれます

業者を利用するメリットは「手間が省ける」という点ですが、数十万円の手数料に見合う価値があるかどうかは慎重に判断すべきです

もし自分で申請するのが不安な場合は、社会保険労務士に相談するのも一つの選択肢です

扶養に入ると受給できなくなる?配偶者の扶養との関係

退職後に配偶者の扶養に入ることを検討している方も多いでしょう

しかし、給付金の受給と扶養の関係には注意が必要です

失業手当受給中は扶養に入れないケースがある

社会保険の扶養(健康保険の被扶養者)に入るためには、年間収入が130万円未満であることが条件です

この「収入」には失業手当も含まれるため、基本手当日額が3,612円以上の場合、扶養に入れない可能性があります

計算式:3,612円 × 30日 × 12ヶ月 = 約130万円

失業手当の受給が終わってから扶養に入るか、受給期間中は国民健康保険に加入する必要があります

傷病手当金受給中の扶養の考え方

傷病手当金を受給している場合も同様に、日額が3,612円以上であれば扶養に入れない可能性があります

ただし、健康保険組合によって取り扱いが異なる場合があるため、配偶者の会社の健康保険組合に確認することをおすすめします

基本手当日額 扶養の可否
3,611円以下 扶養に入れる可能性が高い
3,612円以上 扶養に入れない可能性が高い

国民健康保険・任意継続・扶養どれを選ぶべきか

退職後の健康保険については、3つの選択肢があります

それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に最適な方法を選びましょう

退職後の健康保険3つの選択肢

選択肢 概要 加入期間
国民健康保険 市区町村が運営する健康保険 制限なし
任意継続被保険者 退職前の健康保険を継続 最長2年間
配偶者の扶養 配偶者の健康保険の被扶養者になる 収入要件を満たす限り

それぞれのメリット・デメリット比較

項目 国民健康保険 任意継続 配偶者の扶養
保険料 前年所得に応じて決定 在職時の約2倍(上限あり) 無料
傷病手当金 なし なし(新規申請不可) なし
加入手続き 市区町村役場 退職後20日以内に申請 配偶者の会社経由

給付金受給額に影響するケース

傷病手当金を退職後も継続受給する場合は、どの健康保険を選んでも支給額に影響はありません

ただし、任意継続や国民健康保険に加入しても、新たに傷病手当金を申請することはできません

退職後に傷病手当金を受給するためには、在職中から申請を開始しておく必要があります

社会保険給付金の申請方法・手続きの流れ【ステップ別解説】

社会保険給付金を確実に受け取るためには、正しい手順で申請手続きを行う必要があります

ここでは、申請の流れをステップ別にわかりやすく解説します

事前に流れを把握しておくことで、スムーズに手続きを進められるでしょう。

【STEP1】退職前に確認すべきこと|在職中に申請できるケースとは

給付金の申請は、退職前から準備を始めることが重要です

特に傷病手当金は、在職中から申請を開始しておくことで、退職後も継続して受給できます

在職中に確認・準備すべき項目

  • 健康保険の被保険者期間(傷病手当金の継続受給には1年以上必要)
  • 雇用保険の被保険者期間(失業手当の受給には12ヶ月以上必要)
  • 有給休暇の残日数(退職日に出勤しないために活用)
  • 医師の診断書・意見書の取得

傷病手当金を退職後も継続受給するための条件

  • 退職日までに継続して1年以上被保険者であったこと
  • 退職日に傷病手当金を受給しているか、受給できる状態であること
  • 退職日に出勤していないこと

特に「退職日に出勤しない」という条件は見落としがちです

退職日に挨拶のためだけでも出勤してしまうと、傷病手当金の継続受給資格を失う可能性があります

有給休暇を使って退職日は休むようにしましょう

【STEP2】必要書類の準備|社会保険給付金制度申請書の入手方法

申請に必要な書類は、給付金の種類によって異なります

主な必要書類と入手方法を整理しました

傷病手当金の必要書類

書類名 入手方法 記入者
傷病手当金支給申請書 協会けんぽHP・健保組合 被保険者・事業主・医師
医師の意見書 申請書の一部として医師が記入 医師
出勤簿・賃金台帳の写し 会社から取得 事業主

申請書は協会けんぽや各健康保険組合のホームページからダウンロードできます

参考:全国健康保険協会「傷病手当金支給申請書」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/r124/

失業手当の必要書類

書類名 入手方法
離職票-1、離職票-2 退職後に会社から受け取る
雇用保険被保険者証 退職後に会社から受け取る
マイナンバーカードまたは通知カード 本人が所持
本人確認書類(運転免許証等) 本人が所持
写真(縦3cm×横2.5cm)2枚 証明写真機等で撮影
本人名義の預金通帳 本人が所持

離職票は退職後10日前後で会社から届きます。届かない場合は会社に問い合わせましょう

【STEP3】申請先と提出方法|窓口・郵送・オンライン

申請先は給付金の種類によって異なります

傷病手当金の申請先

加入している健康保険組合または協会けんぽの各都道府県支部

提出方法は、郵送または窓口への持参が一般的です

協会けんぽの場合、マイナポータルを利用したオンライン申請も可能です

失業手当の申請先

住所地を管轄するハローワーク(公共職業安定所)

失業手当の申請は、原則として本人がハローワークの窓口に出向いて行います

初回の手続きでは、求職申込みと受給資格の決定を同時に行います

申請のタイミング

給付金 申請のタイミング
傷病手当金 待機期間(3日間)完成後、1ヶ月ごとに申請
失業手当 退職後、離職票を受け取ったらすぐに
育児休業給付金 休業開始後、原則2ヶ月ごとに
高額療養費 診療月の翌月以降(時効は2年)

【STEP4】審査から支給までの期間|いつ振り込まれるか

申請書類を提出してから給付金が振り込まれるまでの期間は、給付金の種類によって異なります

各給付金の支給までの目安

給付金 支給までの期間
傷病手当金 書類到着から約2週間
失業手当 受給資格決定から約1ヶ月後に初回支給
育児休業給付金 申請から約2週間
高額療養費 申請から約3ヶ月

傷病手当金は、毎月申請する必要があります

1回目の申請が遅れると、その分支給も遅れるため、早めに申請することをおすすめします

失業手当は、7日間の待機期間と(自己都合の場合は)2ヶ月の給付制限期間があるため、実際に振り込まれるのは退職から約3ヶ月後になります

申請時によくある失敗例と対策

申請時によくある失敗例を知っておくことで、同じ過ちを防ぐことができます

失敗例1:退職日に出勤してしまい継続受給不可になる

傷病手当金を退職後も継続受給するためには、退職日に出勤していないことが条件です

「最終日だから挨拶に行こう」と出勤してしまうと、継続受給資格を失う可能性があります

対策:退職日は有給休暇を取得し、出勤しない

失敗例2:医師の意見書の記載内容が不十分で差し戻し

傷病手当金の申請書には医師の意見書欄があり、「労務不能と認めた期間」などを記入してもらう必要があります

この記載が不十分だと審査が通らず、書類が差し戻されることがあります

対策:医師に申請の趣旨を伝え、必要事項を正確に記入してもらう

失敗例3:受給期間延長の手続きを忘れる

傷病手当金を受給している間に失業手当の受給期間(原則1年)が過ぎてしまうと、回復後に失業手当を受け取れなくなります

対策:退職後30日経過後〜、ハローワークで受給期間延長の手続きを行う

失敗例4:離職理由を確認せずに申請してしまう

離職票に記載される離職理由が「自己都合」か「会社都合」かで、失業手当の給付内容が大きく変わります

実際は会社都合なのに自己都合として処理されていると、不利な条件で受給することになります

対策:離職票を受け取ったら、離職理由の記載を必ず確認する

あなたの状況別|受け取るべき社会保険給付金チェックリスト

社会保険給付金は種類が多いため、自分がどの給付金を受け取れるのか分かりにくいという声をよく聞きます

ここでは、よくあるケースごとに、受け取るべき給付金をチェックリスト形式でご紹介します

自分の状況に近いものを探して、参考にしてください。

ケース①:病気やケガで働けない状態で退職する場合

このケースでは、傷病手当金と失業手当を連続して受給することで、最大28ヶ月分の給付を受けられる可能性があります

受け取れる可能性のある給付金

  • 傷病手当金(最長18ヶ月)
  • 失業手当(回復後、最長10ヶ月)
  • 高額療養費(医療費が高額な場合)

手続きのポイント

  • 退職前に傷病手当金の申請を開始する
  • 退職日には出勤しない
  • 退職後30日経過後〜、受給期間延長の手続きをする
  • 回復後、ハローワークで失業手当の申請をする

ケース②:自己都合で退職し転職活動をする場合

元気な状態で自己都合退職する場合は、失業手当が主な給付金となります

受け取れる可能性のある給付金

  • 失業手当(2ヶ月の給付制限後、90〜150日)
  • 再就職手当(早期に再就職が決まった場合)

手続きのポイント

  • 退職後、離職票を受け取ったらすぐにハローワークへ
  • 求職活動を行い、認定日に出席する
  • 早期に再就職が決まったら再就職手当を申請する

2025年4月以降は、自己都合退職の給付制限期間が2ヶ月から1ヶ月に短縮される予定です

ケース③:会社都合(解雇・倒産)で退職した場合

会社都合で退職した場合は、失業手当の給付条件が優遇されます

受け取れる可能性のある給付金

  • 失業手当(給付制限なし、90〜330日)
  • 再就職手当(早期に再就職が決まった場合)

自己都合との違い

項目 自己都合 会社都合
給付制限 2ヶ月 なし
給付日数 90〜150日 90〜330日
必要な被保険者期間 12ヶ月以上 6ヶ月以上

ケース④:定年退職した場合(60歳・65歳)

定年退職の場合、年齢によって受け取れる給付金が異なります

65歳未満で定年退職した場合

  • 失業手当(所定給付日数は自己都合と同様)

65歳以上で定年退職した場合

  • 高年齢求職者給付金(基本手当日額の30日分または50日分の一時金)

65歳以上の方は、一般の失業手当ではなく「高年齢求職者給付金」が支給されます

これは一時金として支給されるため、年金との併給も可能です

ケース⑤:退職後に病気が発覚した場合

退職後に病気が発覚した場合、傷病手当金の新規申請はできません

ただし、失業手当の受給期間延長制度を活用することで、療養後に失業手当を受給できます

活用できる制度

  • 失業手当の受給期間延長(最大4年間)
  • 障害年金(障害等級に該当する場合)
  • 高額療養費(医療費が高額な場合)

手続きのポイント

退職後30日経過後〜、ハローワークで受給期間延長の手続きを行いましょう

病気やケガで連続30日以上働けない場合に延長が認められます

ケース⑥:うつ病・適応障害など精神疾患で退職を検討中の場合

うつ病や適応障害などの精神疾患も、傷病手当金の対象となります

在職中に申請を開始しておくことで、退職後も最長18ヶ月間受給できます

受け取れる可能性のある給付金

  • 傷病手当金(最長18ヶ月)
  • 失業手当(回復後)
  • 障害年金(障害等級に該当する場合)

併用できる制度

  • 自立支援医療制度:医療費の自己負担が1割に軽減される
  • 精神障害者保健福祉手帳:各種割引や税制優遇を受けられる

自立支援医療制度を利用すると、通院にかかる医療費負担を大幅に減らすことができます

傷病手当金と併用することで、経済的な負担をさらに軽減できます

ケース⑦:退職後しばらく休んでから転職活動したい場合

退職後すぐに働く予定がない場合でも、受給期間延長制度を活用すれば失業手当を受け取れます

活用できる制度

  • 失業手当の受給期間延長(最大4年間)

延長が認められる事由

  • 病気やケガ
  • 妊娠・出産・育児
  • 親族の介護
  • 海外ボランティア活動
  • 60歳以上の定年退職後の休養

「しばらく休みたい」という理由だけでは延長は認められませんが、上記の事由に該当すれば最大4年間まで延長できます

ケース⑧:派遣社員・契約社員で契約満了となった場合

派遣社員や契約社員でも、雇用保険に加入していれば失業手当を受け取れます

契約満了の場合、離職理由によっては会社都合扱いになることがあります

会社都合扱いになるケース

  • 会社から契約更新を希望したが更新されなかった場合
  • 更新の確約があったのに更新されなかった場合

自己都合扱いになるケース

  • 自分から更新を希望しなかった場合
  • 最初から更新なしの契約だった場合

離職票を受け取ったら、離職理由の記載を必ず確認しましょう

会社都合に該当するにもかかわらず自己都合と記載されている場合は、ハローワークで異議申し立てができます

社会保険給付金を確実に受け取るための最終チェックポイント

社会保険給付金を漏れなく受け取るために、退職前後でチェックすべきポイントをまとめました

このチェックリストを活用して、手続き漏れを防ぎましょう

退職前チェックリスト(5項目)

チェック項目 確認内容
□ 社会保険の加入期間を確認したか 傷病手当金の継続受給には1年以上、失業手当には12ヶ月以上必要
□ 傷病手当金の申請は在職中に開始したか 退職後の新規申請は不可
□ 退職日に出勤しないことを確認したか 有給休暇を活用して休む
□ 離職票の離職理由は正確か 会社都合か自己都合かで給付内容が大きく変わる
□ 退職後の健康保険を決めたか 任意継続・国保・扶養のいずれか

退職後チェックリスト(5項目)

チェック項目 確認内容
□ ハローワークでの求職申込みを行ったか 失業手当の受給には必須
□ 失業認定日を把握しているか 認定日に出席しないと支給されない
□ 受給期間延長の手続きは必要か 病気等で働けない場合は退職後30日経過後〜申請
□ 医師の意見書は毎月取得できているか 傷病手当金は毎月申請が必要
□ 住所変更・口座変更の届出は済んでいるか 変更があった場合は速やかに届出

社会保険給付金の受け取りに関するよくある質問(FAQ)

社会保険給付金について、よく寄せられる質問とその回答をまとめました

疑問点がある方は、こちらを参考にしてください。

Q1. 社会保険給付金を受け取る具体的な手順を教えてください

社会保険給付金を受け取る基本的な手順は以下のとおりです

  • 自分が受給できる給付金を確認する
  • 必要書類を準備する
  • 申請先(健保組合・ハローワーク等)に書類を提出する
  • 審査を経て、指定口座に振り込まれる

傷病手当金の場合は在職中から申請を開始し、毎月申請を継続します

失業手当の場合は退職後にハローワークで手続きを行い、4週間ごとの認定日に出席して失業状態を認定してもらいます

Q2. 社会保険給付金を受給したことは会社(元勤務先)に知られますか?

退職後に受給する傷病手当金や失業手当については、基本的に元勤務先に知られることはありません

ただし、傷病手当金を在職中に申請する場合は、申請書に事業主の証明欄があるため、会社に知られることになります

また、離職票の発行時には会社が離職理由を記載するため、失業手当の申請自体は把握されます

しかし、その後の受給状況までは元勤務先には通知されません

Q3. 傷病手当金は退職前(在職中)でも申請できますか?

はい、傷病手当金は在職中でも申請できます

むしろ、退職後も継続して受給したい場合は、在職中に申請を開始しておくことが必須条件です

退職後に新たに傷病手当金を申請することはできません

在職中に病気やケガで連続3日以上休んだ場合は、早めに申請を開始しましょう

Q4. パート・アルバイトでも社会保険給付金は受け取れますか?

パート・アルバイトでも、社会保険に加入していれば給付金を受け取れます

社会保険への加入要件は以下のとおりです

健康保険・厚生年金の加入要件(2024年10月以降)

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上
  • 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
  • 学生でない
  • 従業員51人以上の企業で働いている

雇用保険の加入要件

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上の雇用見込みがある

これらの条件を満たしていれば、正社員と同様に給付金を受け取ることができます

Q5. 受給中に転職が決まったらどうなりますか?

失業手当の受給中に転職が決まった場合、所定給付日数の3分の1以上を残していれば「再就職手当」を受け取れる可能性があります

再就職手当は、残りの失業手当の60〜70%が一括で支給される制度です

再就職手当の支給額

残日数 支給率
所定給付日数の3分の2以上 70%
所定給付日数の3分の1以上 60%

転職が決まったら、速やかにハローワークに届け出る義務があります

届け出を怠ると不正受給とみなされる可能性があるため、注意してください

Q6. 退職代行を使った場合でも社会保険給付金は受け取れますか?

はい、退職代行を利用しても社会保険給付金を受け取ることができます

退職の方法自体は、給付金の受給資格に影響しません

ただし、離職票の離職理由については確認が必要です

退職代行を利用したからといって「会社都合」になるわけではありません

自分から退職を申し出た場合は「自己都合」として処理されるのが一般的です

Q7. 社会保険給付金サポートを謳う業者は利用すべきですか?

利用するかどうかは、ご自身の状況に応じて判断してください

業者を利用するメリット

  • 手続きの手間が省ける
  • 専門家のサポートで申請漏れを防げる
  • 複雑な制度を理解する必要がない

業者を利用するデメリット

  • 高額な費用がかかる(受給額の10〜15%程度)
  • 自分で申請すれば費用はゼロ
  • 悪質な業者に当たるリスクがある

傷病手当金も失業手当も、自分で申請すれば費用は一切かかりません

ハローワークや健康保険組合の窓口では、無料で相談に乗ってもらえます

「手間をかけたくない」「複雑で不安」という方は業者を利用するのも一つの選択肢ですが、費用対効果をよく考えて判断しましょう

Q8. 傷病手当金をもらいながら転職活動してもいいですか?

原則として、傷病手当金を受給しながら転職活動をすることは認められていません

傷病手当金は「労務に服することができない」状態であることが条件です

転職活動をしているということは「働く意思と能力がある」とみなされ、傷病手当金の受給資格を失う可能性があります

転職活動をしたい場合は、医師から「就労可能」と判断されてから、失業手当に切り替えて行いましょう

Q9. 過去にうつ病で傷病手当金をもらったが再度申請できますか?

同一疾病での傷病手当金は、通算1年6ヶ月が上限です

過去に同じうつ病で傷病手当金を受給したことがある場合、残りの期間分しか受給できません

ただし、以下のケースでは再度申請できる可能性があります

別の疾病の場合

たとえば、過去にうつ病で受給し、今回は骨折で申請する場合は、新たに1年6ヶ月の受給が可能です

社会的治癒が認められた場合

過去の疾病がいったん治癒し、相当期間(数年程度)就労できていた場合、同一疾病でも新たな疾病として扱われることがあります

これを「社会的治癒」といい、認められれば再度1年6ヶ月の受給が可能になります

Q10. 失業手当の受給中に妊娠が発覚したらどうなりますか?

失業手当を受給するためには「働く意思と能力がある」ことが条件です

妊娠しても、体調に問題がなく就労できる状態であれば、失業手当を継続して受給できます

ただし、つわりなどで体調が悪く就労が困難な場合は、受給期間延長の手続きを行うことをおすすめします

延長すれば、出産後に体調が回復してから失業手当を受給することができます

なお、出産手当金と失業手当を同時に受給することはできません

健康保険の被保険者で出産手当金の受給資格がある場合は、出産手当金が優先されます