年金と失業保険を同時にもらう方法!60・63・64・65歳の年齢別で徹底解説
「年金と失業保険、両方もらえたらいいのに…」と考えたことはありませんか。
退職後の生活を支える大切な収入源である年金と失業保険ですが、実は受け取り方を間違えると数十万円から数百万円もの損失につながることがあります。
特に重要なのが「65歳」という節目です。
65歳を境に、失業保険の種類が「基本手当」から「高年齢求職者給付金」へと変わり、年金との併給ルールも大きく異なります。
この記事では、年齢別の最適な受給戦略から、失敗事例、具体的な手続き方法まで、年金と失業保険を賢く受け取るために必要な情報をすべて網羅しています。
退職前に知っておくべき情報を徹底的に解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
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目次
【年齢別】年金と失業保険を両方受け取る具体的な方法
年金と失業保険の受給戦略は、退職する年齢によって大きく変わります。
特に60歳から65歳の間に退職する場合は、「特別支給の老齢厚生年金」と「失業保険(基本手当)」の関係を正しく理解することが重要です。
この章では、退職年齢ごとの最適な受給方法を具体的に解説していきます。
自分の年齢に該当する項目を中心に確認し、損をしない受給計画を立ててください。
60歳で退職した場合の受給戦略
60歳で退職した場合、多くの方が「特別支給の老齢厚生年金」の受給資格を持っています。
ただし、失業保険と特別支給の老齢厚生年金は同時に受け取ることができないため、どちらを先に受給するかが重要なポイントになります。
基本的な考え方として、失業保険を先に受給し、給付終了後に年金を請求する方法が有利になるケースが多いです。
その理由は、失業保険には受給期間(原則1年間)という期限があるのに対し、年金は請求すればいつでも受け取れるからです。
| 受給の順序 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 失業保険を先に受給 | 受給期限のある失業保険を確実に受け取れる | 年金の受給開始が遅れる |
| 年金を先に受給 | すぐに年金を受け取れる | 失業保険を受給すると年金が止まる |
60歳で退職後、すぐに再就職の意思がない場合や、病気などで働けない状況にある場合は「受給期間延長」の手続きを行いましょう。
この手続きをしておけば、最長で4年間まで失業保険の受給期間を延ばすことができます。
延長申請は退職日の翌日から30日経過後、1カ月以内にハローワークで行う必要があります。
この期限を過ぎると延長できなくなるため、十分注意してください。
60歳で受け取れる年金と失業保険の受給タイミングを調整する際は、まず自分の年金額と失業保険の基本手当日額を確認することから始めましょう。
63歳で退職した場合の最適な選択肢
63歳での退職は、特別支給の老齢厚生年金との調整を慎重に行う必要がある年齢です。
この年齢で退職する場合、失業保険の給付日数と年金受給開始時期の調整が受給総額に大きく影響します。
失業保険の給付日数は、雇用保険の被保険者期間と離職理由によって決まります。
| 被保険者期間 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
|---|---|---|
| 1年以上10年未満 | 90日 | 90〜180日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 | 180〜240日 |
| 20年以上 | 150日 | 240〜330日 |
63歳で退職する場合、65歳までの期間を考慮した受給計画が必要です。
例えば、20年以上勤務して自己都合退職した場合、失業保険の給付日数は150日(約5カ月)となります。
この場合、失業保険を受給している間は特別支給の老齢厚生年金が全額停止されます。
しかし、失業保険の日額が年金の日額換算より高ければ、失業保険を優先する方が有利です。
受給期間延長申請を活用すれば、病気や介護などで働けない期間があっても失業保険の権利を失わずに済みます。
63歳での退職後、すぐに求職活動ができない事情がある場合は、必ず延長申請を行ってください。
特別支給の老齢厚生年金との関係を正しく理解し、自分にとって有利な受給順序を選択することが大切です。
64歳で退職した場合の受給パターン
64歳での退職は、65歳という節目を目前にしているため、特に慎重な判断が求められます。
この年齢で退職すると、失業保険(基本手当)を受給できますが、特別支給の老齢厚生年金との調整が発生します。
64歳退職時の失業保険と年金の優先順位を決める際は、以下の点を比較検討してください。
- 失業保険の基本手当日額×給付日数の総額
- 特別支給の老齢厚生年金の月額×停止月数の総額
- 65歳以降に受け取れる老齢厚生年金の額
特別支給の老齢厚生年金の支給停止期間は、ハローワークで求職の申込をした日の属する月の翌月から、失業保険の受給が終了した日の属する月(または受給期間が経過した月)までとなります。
例えば、4月10日にハローワークで求職申込をし、9月15日に失業保険の受給が終了した場合、年金の支給停止期間は5月から9月までの5カ月間です。
この期間中、年金は1円も支給されません。
64歳で退職してから65歳になるまでの受給スケジュールは、誕生日によって大きく変わります。
65歳の誕生日の前日を過ぎると、失業保険は「基本手当」から「高年齢求職者給付金」に切り替わり、年金との併給が可能になります。
そのため、64歳での退職を考えている方は、65歳の誕生日までの残り月数を確認し、失業保険の給付日数との兼ね合いで受給計画を立てることが重要です。
64歳11ヶ月で退職する場合の特別な戦略
64歳11ヶ月での退職は、年金と失業保険の同時受給を実現できる可能性がある、非常に戦略的なタイミングです。
この時期に退職する最大のメリットは、65歳になった後に「高年齢求職者給付金」を受け取れることにあります。
高年齢求職者給付金は、65歳以上で失業した場合に支給される一時金で、老齢厚生年金と同時に受け取ることができます。
| 項目 | 基本手当(65歳未満) | 高年齢求職者給付金(65歳以上) |
|---|---|---|
| 支給形態 | 日額×給付日数を分割支給 | 一時金として一括支給 |
| 年金との併給 | 不可(年金が停止) | 可能(同時受給OK) |
| 給付日数 | 90〜330日 | 30日または50日分 |
ただし、注意すべき点があります。
64歳11ヶ月で退職しても、65歳の誕生日の前々日までにハローワークで求職の申込をしてしまうと、「基本手当」の受給資格者となり、年金との併給ができなくなります。
つまり、64歳11ヶ月で退職した場合は、65歳の誕生日以降にハローワークで求職の申込をすることで、高年齢求職者給付金と年金の同時受給が可能になるのです。
1カ月の差が生む受給額の違いは非常に大きくなることがあります。
例えば、基本手当日額が6,000円で給付日数が150日の場合、基本手当の総額は90万円です。
一方、高年齢求職者給付金は被保険者期間が1年以上あれば50日分なので、30万円となります。
単純な金額では基本手当の方が多いですが、年金が停止されることを考慮すると、トータルでは高年齢求職者給付金を選んだ方が有利になるケースも少なくありません。
64歳11ヶ月で退職して損をしないためには、退職日とハローワークへの届出日を慎重に調整してください。
65歳以上で退職した場合の同時受給の可能性
65歳以上で退職した場合、年金と失業手当を両方受け取ることが可能です。
これは、65歳以上の失業者に支給される「高年齢求職者給付金」が、老齢厚生年金との併給を認められているためです。
高年齢求職者給付金と老齢厚生年金の併給ルールは明確で、両方を同時に受け取っても何のペナルティもありません。
65歳以上で年金と失業手当を両方もらう具体的な手順は以下のとおりです。
- 退職後、離職票を受け取る
- ハローワークで求職の申込と高年齢求職者給付金の申請を行う
- 7日間の待期期間を経過する
- 認定日にハローワークで失業の認定を受ける
- 高年齢求職者給付金が一括で振り込まれる
高年齢求職者給付金の支給額は、被保険者期間によって異なります。
| 被保険者期間 | 支給日数 |
|---|---|
| 1年未満 | 30日分 |
| 1年以上 | 50日分 |
在職老齢年金制度との関係性についても押さえておきましょう。
65歳以上で働きながら年金を受け取っている場合、給与と年金の合計額が一定額(2024年度は50万円)を超えると、年金の一部または全部が支給停止されます。
しかし、退職して高年齢求職者給付金を受け取る場合は、在職老齢年金の対象外となるため、年金が減額されることはありません。
65歳以上での退職は、年金と失業手当の両方を受け取れる点で非常に有利といえます。
退職前に必ず確認すべきチェックリスト
退職後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、退職前に確認しておくべき事項があります。
年金と失業保険を最大限に活用するためには、事前の準備が欠かせません。
ここでは、退職前に必ずチェックしておくべき項目を詳しく解説します。
雇用保険の被保険者期間と給付日数の確認
失業保険を受け取るためには、雇用保険の被保険者期間が一定以上あることが条件です。
退職前に、自分がどのくらいの期間、雇用保険に加入していたかを確認しておきましょう。
被保険者期間の確認方法は主に2つあります。
| 確認方法 | 手順 | 備考 |
|---|---|---|
| 給与明細で確認 | 雇用保険料が天引きされているか確認 | 毎月の明細をチェック |
| ハローワークで確認 | 本人確認書類を持参して窓口で照会 | 正確な期間がわかる |
失業保険の給付日数は、被保険者期間、年齢、離職理由によって決まります。
自己都合退職と会社都合退職では給付日数が大きく異なるため、退職理由がどちらに該当するかも重要なポイントです。
倒産や解雇などの会社都合で退職した場合は「特定受給資格者」となり、給付日数が優遇されます。
また、病気や介護など正当な理由がある自己都合退職は「特定理由離職者」として認められる場合があり、この場合も給付日数が優遇されることがあります。
自分の被保険者期間と離職理由に基づいた給付日数を事前に把握しておくことで、退職後の収入計画を立てやすくなります。
特別支給の老齢厚生年金の受給資格の有無
60歳から65歳未満の方で、一定の条件を満たす場合は「特別支給の老齢厚生年金」を受け取ることができます。
この年金を受給できるかどうかは、失業保険との調整を考える上で非常に重要です。
特別支給の老齢厚生年金の受給資格は以下のとおりです。
- 生年月日が男性は1961年4月1日以前、女性は1966年4月1日以前であること
- 厚生年金保険の被保険者期間が1年以上あること
- 老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上)を満たしていること
受給開始年齢は生年月日によって段階的に引き上げられており、現在では多くの方が63歳や64歳からの受給となっています。
自分が特別支給の老齢厚生年金を受け取れる年齢は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できます。
特別支給の老齢厚生年金を受給できる方が失業保険も受け取る場合、原則として年金が支給停止になることを念頭に置いて、どちらを優先するか検討してください。
退職日の設定による受給額への影響
退職日をいつにするかによって、受給できる金額が変わることがあります。
特に月末退職と月中退職では、社会保険料の負担や失業保険の受給開始日に影響が出ます。
退職日による影響の違いを以下にまとめます。
| 退職日 | 社会保険料 | 失業保険の受給 |
|---|---|---|
| 月末退職 | 退職月分まで会社と折半 | 翌月から受給手続き可能 |
| 月中退職 | 退職月は国民健康保険・国民年金に切り替え | 退職後すぐに受給手続き可能 |
月末の1日前に退職すると、その月の社会保険料は自己負担となり、国民健康保険と国民年金に加入することになります。
一方、月末に退職すれば、その月の社会保険料は会社と折半のままです。
また、64歳で退職する場合は、65歳の誕生日との兼ね合いで退職日を設定することが重要になります。
前述のとおり、65歳以降にハローワークで求職申込をすれば、高年齢求職者給付金と年金を同時に受け取れる可能性があります。
退職日の設定は、複数の観点から慎重に検討してください。
健康保険・厚生年金保険の資格喪失日の確認
退職すると、会社で加入していた健康保険と厚生年金保険の資格を失います。
資格喪失日は原則として退職日の翌日となり、この日から国民健康保険や国民年金への切り替えが必要です。
退職後の健康保険の選択肢は主に3つあります。
- 国民健康保険に加入する
- 退職前の健康保険を任意継続する(最長2年間)
- 家族の健康保険の被扶養者になる
任意継続を選ぶ場合は、退職日の翌日から20日以内に手続きを行う必要があります。
この期限を過ぎると任意継続できなくなるため、注意が必要です。
失業保険を受給している間は、日額によっては家族の被扶養者になれないことがあります。
一般的に、基本手当日額が3,612円以上(60歳以上は5,000円以上)の場合は被扶養者になれません。
退職前に、健康保険の切り替え先と手続き期限を確認しておきましょう。
退職金の支給時期と税金の計算方法
退職金は、退職後の生活資金として重要な役割を果たします。
支給時期と税金の計算方法を事前に把握しておくことで、資金計画を立てやすくなります。
退職金にかかる税金は「退職所得」として計算され、給与所得とは分離して課税されます。
退職所得の計算式は以下のとおりです。
退職所得 =(退職金の額 − 退職所得控除額)× 1/2
出典:国税庁「退職金と税」
退職所得控除額は勤続年数によって異なります。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(最低80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年) |
例えば、勤続30年の場合、退職所得控除額は800万円 + 70万円 × 10年 = 1,500万円となります。
退職金がこの金額以下であれば、税金はかかりません。
「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出しておけば、適正な税額が源泉徴収され、確定申告は不要になります。
退職金の支給時期は会社によって異なるため、退職前に人事部門に確認しておくことをおすすめします。
年金と失業保険は原則として同時受給できない理由
年金と失業保険を両方もらいたいと考える方は多いですが、原則として65歳未満では同時受給ができません。
この章では、なぜ同時に受け取れないのか、その理由と背景を解説します。
制度の仕組みを理解することで、より効果的な受給戦略を立てることができます。
特別支給の老齢厚生年金と失業保険の併給制限とは
特別支給の老齢厚生年金と失業保険(基本手当)は、同時に受け取ることができません。
この併給制限は、雇用保険法と厚生年金保険法によって定められています。
併給が制限される理由は、両制度の目的の違いにあります。
| 制度 | 目的 |
|---|---|
| 失業保険(基本手当) | 失業中の生活を支え、再就職を支援する |
| 特別支給の老齢厚生年金 | 老後の生活を支える |
失業保険は「働く意思と能力があるのに仕事が見つからない人」を支援する制度です。
一方、年金は「老後の生活を支える」ための制度です。
両方を同時に受け取ると、制度の趣旨が重複するという考え方から、併給が制限されています。
具体的には、ハローワークで求職の申込をした日の属する月の翌月から、年金の支給が停止されます。
そして、失業保険の受給が終了するか、受給期間が経過するまで、年金は支給されません。
この制限があるため、どちらを先に受給するかの判断が重要になるのです。
65歳未満と65歳以上で異なる取り扱いの背景
65歳を境に、失業保険と年金の併給ルールは大きく変わります。
65歳未満では併給が制限されますが、65歳以上では同時に受け取ることが可能です。
この違いの背景には、65歳という年齢が年金制度において重要な節目であることがあります。
65歳は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の本来の受給開始年齢です。
65歳以上で受け取る失業手当は「高年齢求職者給付金」という名称に変わり、その性質も異なります。
| 項目 | 基本手当(65歳未満) | 高年齢求職者給付金(65歳以上) |
|---|---|---|
| 制度の位置づけ | 失業中の生活保障(メイン) | 再就職支援の一時金 |
| 支給方法 | 28日ごとに分割支給 | 一括支給 |
| 年金との関係 | 年金が支給停止 | 年金と併給可能 |
65歳以上の高年齢求職者給付金は、最大でも50日分の一時金であり、長期的な生活保障としての性質は薄くなっています。
そのため、老齢年金との併給が認められているのです。
この年齢による取り扱いの違いを理解しておくことで、退職時期の調整に活かすことができます。
雇用保険法による支給停止の仕組み
年金と失業保険の併給制限は、具体的には雇用保険法ではなく、厚生年金保険法に基づいています。
厚生年金保険法では、基本手当の受給資格を得た場合、特別支給の老齢厚生年金を支給停止すると定めています。
支給停止の流れは以下のとおりです。
- 退職後、ハローワークで求職の申込をする
- 求職申込日の属する月の翌月から年金が支給停止される
- 失業保険の受給が終了する
- 受給終了月の翌月から年金が再開される
第三十八条 特別支給の老齢厚生年金は、受給権者が雇用保険法の規定による基本手当の受給資格を有する場合には、その期間中、支給しない。
出典:厚生年金保険法(e-Gov法令検索)
注意すべき点として、待期期間(7日間)や給付制限期間(自己都合退職の場合、原則2カ月)も支給停止期間に含まれます。
つまり、失業保険の給付を実際に受け取っていなくても、求職申込をした時点で年金は止まるのです。
この仕組みを正しく理解し、収入が途切れる期間がないよう計画を立てることが大切です。
特別支給の老齢厚生年金と失業保険はどちらが得か徹底比較
年金と失業保険のどちらを優先すべきかは、個人の状況によって異なります。
元の給料、健康状態、家族構成などによって、有利な選択肢は変わってきます。
ここでは、4つのパターンに分けて、どちらが得かを具体的にシミュレーションします。
受給額シミュレーション①:元の給料が高かった場合
元の給料が高かった方は、失業保険の基本手当日額も高くなる傾向があります。
月収40万円以上の高所得者の場合、失業保険と年金のどちらが有利かを見てみましょう。
失業保険の基本手当日額は、離職前6カ月間の賃金をもとに計算されます。
ただし、上限額が設定されており、60歳以上65歳未満の場合、2024年8月時点の上限は7,294円です。
| 離職前月収 | 基本手当日額(概算) | 月額換算(30日) | 150日分の総額 |
|---|---|---|---|
| 40万円 | 約6,500円 | 約195,000円 | 約975,000円 |
| 50万円 | 約7,294円(上限) | 約218,820円 | 約1,094,100円 |
一方、特別支給の老齢厚生年金の月額は、厚生年金の加入期間と平均標準報酬月額によって異なります。
例えば、40年間厚生年金に加入し、平均標準報酬月額が40万円だった場合、特別支給の老齢厚生年金は月額約10万円〜15万円程度になることが多いです。
この場合、失業保険の月額換算(約20万円)の方が年金(約10〜15万円)より高くなるため、失業保険を優先する方が有利です。
ただし、失業保険は給付日数に限りがあるため、生涯受給総額で比較することも重要です。
失業保険の給付日数が150日で終了した後は年金を受け取れるようになるため、単純にどちらかを選ぶというより、順序を決めるという考え方が適切です。
受給額シミュレーション②:元の給料が標準的だった場合
月収25万円〜35万円の標準的な収入だった方の場合、失業保険と年金の差は小さくなります。
この場合、どちらが有利かは給付日数と年金額によって変わります。
標準的な収入の場合の基本手当日額は、おおよそ以下のとおりです。
| 離職前月収 | 基本手当日額(概算) | 月額換算(30日) |
|---|---|---|
| 25万円 | 約4,800円 | 約144,000円 |
| 30万円 | 約5,500円 | 約165,000円 |
| 35万円 | 約6,200円 | 約186,000円 |
失業保険の給付率は、離職前の賃金によって45%〜80%の範囲で変動します。
賃金が低いほど給付率は高く設定されています。
損益分岐点を考える際は、以下の計算式を参考にしてください。
失業保険の総額(基本手当日額 × 給付日数) > 年金の総額(年金月額 × 停止月数)
この不等式が成り立つ場合は、失業保険を優先する方が有利です。
例えば、基本手当日額が5,500円、給付日数が150日、年金月額が12万円の場合を考えます。
失業保険の総額は825,000円、年金の停止総額は約60万円〜72万円となり、失業保険を優先する方が有利という結論になります。
年齢が65歳に近づくほど、高年齢求職者給付金への切り替えを視野に入れた判断も必要です。
受給額シミュレーション③:健康状態を考慮した判断基準
健康状態に不安がある場合、受給戦略は大きく変わることがあります。
持病がある方や再就職が難しいと予想される方は、早めに安定した収入を確保することを優先すべきケースもあります。
持病がある場合の考慮点は以下のとおりです。
- 再就職の可能性が低い場合、失業保険の求職活動要件を満たせない可能性がある
- 病気で働けない期間がある場合、受給期間延長を活用できる
- 長期療養が必要な場合、傷病手当との関係も検討する必要がある
失業保険を受け取るためには、「働く意思と能力がある」ことが条件です。
病気で働けない状態が続く場合は、失業保険ではなく傷病手当金(健康保険から支給)や障害年金の検討が必要になることもあります。
平均余命から逆算する受給戦略という考え方もあります。
年金は生きている限り受け取れるため、長生きするほど総受給額は増えます。
一方、失業保険は一度きりの給付であり、早めに受け取っておく方が確実という見方もできます。
健康状態に不安がある場合は、社会保険労務士や年金事務所に相談し、個別の状況に応じたアドバイスを受けることをおすすめします。
受給額シミュレーション④:扶養家族がいる場合の計算
扶養家族がいる場合、加給年金や扶養控除との兼ね合いを考慮する必要があります。
特に配偶者がいる場合、加給年金額は年間約39万円(2024年度)と大きな金額になるため、見落とせないポイントです。
加給年金額は、厚生年金の被保険者期間が20年以上あり、65歳未満の配偶者または18歳未満の子がいる場合に加算されます。
| 対象者 | 加給年金額(2024年度) |
|---|---|
| 配偶者 | 約397,500円/年 |
| 第1子・第2子 | 各約228,700円/年 |
| 第3子以降 | 各約76,200円/年 |
失業保険を受給して年金が停止されると、加給年金も同時に停止されます。
そのため、加給年金を受け取れる方は、失業保険との比較でこの金額も含めて検討する必要があります。
また、失業保険の受給による扶養控除への影響も確認しておきましょう。
失業保険自体は非課税ですが、失業保険を受給している期間は「働く意思がある」とみなされるため、税法上の扶養控除には影響しません。
ただし、健康保険の被扶養者になれるかどうかは、失業保険の日額によって変わります。
トータルの世帯収入で比較することで、より正確な判断ができます。
年金と失業保険の支給調整の詳細ルール
年金と失業保険の支給調整には、細かいルールがあります。
このルールを正しく理解していないと、思わぬ損失を招くことがあります。
ここでは、支給停止の仕組みから年金再開の手続きまで、詳しく解説します。
基本手当受給中の年金支給停止の仕組み
失業保険(基本手当)を受給すると、特別支給の老齢厚生年金は支給停止になります。
支給停止が始まるタイミングと期間について、正確に理解しておきましょう。
支給停止は、ハローワークで求職の申込をした日の属する月の翌月から始まります。
例えば、4月15日に求職申込をした場合、5月分から年金が止まります。
支給停止期間の具体的な計算方法は以下のとおりです。
| 項目 | 期間 |
|---|---|
| 支給停止開始 | 求職申込日の属する月の翌月 |
| 支給停止終了 | 基本手当の受給終了日または受給期間経過日の属する月 |
重要な点として、待期期間(7日間)と給付制限期間(自己都合退職の場合、原則2カ月)も支給停止期間に含まれます。
つまり、自己都合退職の場合、求職申込をしてから実際に失業保険を受け取るまで約2カ月以上かかりますが、その間も年金は支給されません。
この期間は収入がゼロになる可能性があるため、退職前に十分な生活資金を確保しておくことが重要です。
給付制限期間中も年金が止まることを知らなかった方が、生活に困窮するケースは少なくありません。
支給停止後の年金再開手続き
失業保険の受給が終了したら、年金の支給を再開するための手続きが必要です。
この手続きを怠ると、年金の再開が遅れることがあります。
失業保険受給終了後の年金請求タイミングは、受給終了後できるだけ早く行うことが望ましいです。
年金事務所への届出が必要な書類は以下のとおりです。
- 雇用保険受給資格者証(受給終了の記載があるもの)
- 年金証書
- 本人確認書類
届出を行うと、支給停止が解除され、翌月分から年金の支給が再開されます。
注意点として、届出を怠った場合でも遡及して年金が支払われない場合があります。
年金は届出主義であり、届出をしないと支給が開始されないケースがあるためです。
失業保険の受給が終了したら、速やかに年金事務所で手続きを行ってください。
なお、失業保険の受給期間中に65歳になった場合は、65歳到達月の翌月から老齢厚生年金の支給が始まります。
この場合、届出をしなくても自動的に年金が支給されることが多いですが、念のため年金事務所に確認することをおすすめします。
高年齢雇用継続給付との調整ルール
60歳以上65歳未満で働きながら、高年齢雇用継続給付を受け取っている場合、年金との調整が発生します。
高年齢雇用継続給付と在職老齢年金が同時に適用される場合、年金額がさらに減額されることがあります。
高年齢雇用継続給付には2種類あります。
| 種類 | 対象者 |
|---|---|
| 高年齢雇用継続基本給付金 | 60歳以降も継続して働き、賃金が60歳時点の75%未満になった人 |
| 高年齢再就職給付金 | 基本手当受給後に再就職し、賃金が低下した人 |
在職老齢年金制度は、60歳以降に働きながら年金を受け取る場合、給与と年金の合計額に応じて年金が減額される仕組みです。
さらに高年齢雇用継続給付を受け取ると、年金が追加で最大6%減額されます。
60歳台前半の複雑な支給調整の実態として、以下の3つの調整が同時に発生する場合があります。
- 在職老齢年金による減額
- 高年齢雇用継続給付による追加減額
- 失業保険を受給する場合の全額停止
これらの調整は非常に複雑であるため、60歳以降の働き方と受給計画は、年金事務所や社会保険労務士に相談することをおすすめします。
標準報酬月額による減額率の変動もあるため、シミュレーションを依頼すると安心です。
【失敗事例から学ぶ】年金と失業保険で損をした人の体験談
年金と失業保険の制度は複雑であり、知識不足から損をしてしまう方が少なくありません。
ここでは、実際にあった失敗事例を紹介し、同じ過ちを繰り返さないためのポイントを解説します。
他の人の失敗から学び、賢い受給計画を立ててください。
事例①:年金を先に請求してしまい失業保険を受給できなかったケース
Aさん(63歳・男性)は、定年退職後、特別支給の老齢厚生年金の受給手続きを先に行いました。
その後、再就職を考えてハローワークに行ったところ、失業保険を受給すると年金が止まることを知りました。
結果として、Aさんは年金を受け取りながら求職活動をすることになり、失業保険よりも低い金額しか受け取れませんでした。
正しい手続きの順序は以下のとおりです。
- 退職後、まずハローワークで求職の申込と失業保険の手続きを行う
- 失業保険を受給し終わってから、年金の受給手続きを行う
- または、年金と失業保険の金額を比較し、有利な方を選択する
この失敗から学ぶ教訓は、「退職前に両方の受給額を確認し、どちらを優先するか決めておく」ことです。
年金事務所で年金見込額を、ハローワークで失業保険の見込額を確認できます。
退職前にしっかり情報収集をしていれば、防げた損失でした。
事例②:受給期間延長申請を忘れて給付権が消滅したケース
Bさん(61歳・女性)は、退職後すぐに病気が発覚し、長期療養が必要になりました。
働ける状態ではなかったため、ハローワークへの届出を後回しにしていたところ、失業保険の受給期間(退職日の翌日から1年間)が過ぎてしまいました。
結果として、本来受け取れるはずだった約100万円以上の失業保険を受け取る権利を失いました。
この失敗の原因は、受給期間延長申請を怠ったことです。
受給期間延長の具体的な期限と方法は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請期限 | 退職日の翌日から30日経過後、1カ月以内 |
| 延長可能期間 | 最長4年間(受給期間と合わせて) |
| 申請先 | 住所地を管轄するハローワーク |
| 必要書類 | 受給期間延長申請書、離職票、診断書など |
病気や介護、出産などで働けない期間がある場合は、必ず受給期間延長の手続きを行ってください。
この手続きをしておけば、療養後に失業保険を受け取ることができます。
事例③:求職活動の実績不足で給付が止まってしまったケース
Cさん(60歳・男性)は、失業保険を受給していましたが、認定日に求職活動の実績が不足していたため、不認定となりました。
その認定期間中は年金も止まっており、約1カ月間、収入がゼロになってしまいました。
求職活動の実績として認められる行動には、以下のようなものがあります。
- ハローワークでの職業相談・職業紹介
- 求人への応募(インターネット応募を含む)
- 許可・届出のある民間職業紹介事業者での職業相談
- 公的機関が行う職業相談、セミナーへの参加
- 再就職に関する国家試験や資格試験の受験
原則として、認定日と認定日の間に最低2回以上の求職活動実績が必要です。
認定日を守れなかった場合のリカバリー方法として、やむを得ない理由がある場合は、認定日の変更が認められることがあります。
病気や面接など、正当な理由がある場合は、事前にハローワークに連絡してください。
失業保険は「働く意思と能力がある人」への給付であることを忘れず、定期的な求職活動を行いましょう。
事例④:支給停止期間を理解せず生活資金が枯渇したケース
Dさん(62歳・男性)は、自己都合で退職しました。
失業保険を受給するつもりでハローワークに届け出たところ、自己都合退職のため2カ月の給付制限があることを知りました。
さらに、この給付制限期間中も年金が止まることを知らず、約3カ月間(待期期間7日+給付制限期間2カ月)、収入がほぼゼロの状態が続きました。
退職前の貯蓄が少なかったDさんは、生活が困窮してしまいました。
事前に準備すべきだった生活資金の額は、最低でも3〜4カ月分の生活費です。
自己都合退職の場合、失業保険を受け取れるまでの期間を考慮すると、以下の計算になります。
| 期間 | 内容 |
|---|---|
| 退職後〜求職申込 | 数日〜2週間程度 |
| 待期期間 | 7日間 |
| 給付制限期間 | 原則2カ月(以前は3カ月) |
| 最初の支給 | 給付制限終了後、最初の認定日以降 |
給付制限期間中に利用できる支援制度として、生活福祉資金貸付制度や住居確保給付金などがあります。
困窮した場合は、自治体の福祉窓口に相談することも検討してください。
事例⑤:64歳で退職し年金との調整で大幅に損をしたケース
Eさん(64歳・男性)は、64歳3カ月で退職し、失業保険を選択しました。
しかし、元の給料が低かったため、基本手当日額は約4,500円でした。
一方、特別支給の老齢厚生年金は月額約14万円(日額換算で約4,667円)ありました。
失業保険の給付日数は150日でしたが、年金を約6カ月間停止されたため、トータルでは約10万円以上の損失が発生しました。
年金と失業保険の受給額を正確に比較する方法は、以下の計算を行うことです。
比較式:基本手当日額 × 給付日数 と 年金月額 ÷ 30 × 支給停止日数
この計算を事前に行っていれば、Eさんは年金を選択した方が有利だとわかったはずです。
専門家への相談タイミングの重要性がわかる事例です。
退職前に年金事務所やハローワークで受給見込額を確認し、どちらが有利か比較検討することが大切です。
複雑なケースでは、社会保険労務士への相談も検討してください。
事例⑥:ハローワークと年金事務所への届出を怠ったケース
Fさん(63歳・女性)は、失業保険を受給中に年金事務所への届出義務があることを知りませんでした。
失業保険の受給が終わっても年金事務所に届け出ず、しばらくしてから届出を行いました。
その結果、届出が遅れた期間の年金は支給されず、さらに一部の年金を過払い金として返還を求められました。
二重受給と判断された場合のペナルティは、過払い分の返還請求です。
悪質な場合は詐欺罪に問われる可能性もあります。
必ず行うべき各機関への届出リストは以下のとおりです。
| タイミング | 届出先 | 届出内容 |
|---|---|---|
| 求職申込時 | 年金事務所 | 失業保険を受給する旨の届出 |
| 失業保険受給終了時 | 年金事務所 | 雇用保険受給資格者証の提出 |
| 再就職時 | ハローワーク | 再就職届、就業届など |
届出は面倒に感じるかもしれませんが、後からトラブルになるよりも、その都度きちんと手続きを行う方が安心です。
不明な点があれば、年金事務所やハローワークに確認しながら進めてください。
事例⑦:再就職後の手続きミスで就業促進手当を逃したケース
Gさん(61歳・男性)は、失業保険を受給中に早期に再就職が決まりました。
再就職手当を受け取れることは知っていましたが、申請期限を過ぎてしまい、本来もらえるはずだった約40万円を受け取れませんでした。
再就職手当の申請期限と必要書類は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請期限 | 再就職日の翌日から1カ月以内 |
| 申請先 | 住所地を管轄するハローワーク |
| 必要書類 | 再就職手当支給申請書、雇用保険受給資格者証、採用証明書など |
再就職手当は、基本手当の支給残日数が一定以上残っている状態で安定した職業に就いた場合に支給されます。
支給額は、支給残日数の60%〜70%相当額であり、かなりの金額になります。
再就職後すぐに行うべき手続きの流れは以下のとおりです。
- 再就職が決まったら、ハローワークに報告する
- 再就職日の前日までに、採用証明書を提出する
- 再就職後、1カ月以内に再就職手当の支給申請を行う
再就職が決まった際は、うれしさのあまり手続きを忘れがちです。
期限を過ぎると受け取れなくなるため、カレンダーに期限を記入するなどして、忘れないようにしてください。
遺族年金と失業保険の同時受給ルール
配偶者を亡くして遺族年金を受給している方が失業した場合、失業保険との関係はどうなるのでしょうか。
遺族年金と失業保険の併給ルールは、老齢年金とは異なる部分があります。
ここでは、年齢別の取り扱いを解説します。
64歳以下で遺族年金を受給している場合の取り扱い
遺族厚生年金を受給している64歳以下の方が失業した場合、失業保険(基本手当)との併給は可能です。
これは、老齢厚生年金とは大きく異なるルールです。
遺族厚生年金と失業保険が併給できる理由は、制度の目的の違いにあります。
| 年金の種類 | 失業保険との併給 | 理由 |
|---|---|---|
| 特別支給の老齢厚生年金 | 不可 | 両方とも本人の生活保障のため |
| 遺族厚生年金 | 可能 | 遺族の生活保障と本人の失業保障は目的が異なる |
老齢厚生年金との違いに注意すべき理由として、遺族年金と老齢年金を両方受け取れる場合があります。
この場合、老齢年金部分については失業保険との調整が発生する可能性があります。
失業保険受給中の遺族年金への影響は、基本的にありません。
失業保険を受給しても、遺族厚生年金は従来通り支給されます。
ただし、個別の状況によって異なる場合があるため、年金事務所で確認することをおすすめします。
65歳以上での遺族年金と失業手当の関係
65歳以上で遺族年金を受給している方が失業した場合、高年齢求職者給付金と遺族年金を同時に受け取ることができます。
これは、65歳以上では老齢年金と高年齢求職者給付金の併給も可能だからです。
高年齢求職者給付金と遺族年金の併給ルールは、以下のとおりです。
- 遺族厚生年金と高年齢求職者給付金は併給可能
- 老齢厚生年金と高年齢求職者給付金も併給可能
- 遺族年金と老齢年金を両方受け取れる場合でも、高年齢求職者給付金との併給に問題はない
選択する年金の種類による影響の違いについても理解しておきましょう。
65歳以上になると、老齢年金と遺族年金のどちらを受け取るか(または併給調整を受けるか)を選択することになります。
この選択は失業手当との関係には直接影響しませんが、総受給額を最大化するためには、年金の選択も含めて総合的に検討することが大切です。
複雑なケースでは、年金事務所で個別に相談することをおすすめします。
失業保険と同時に受給できる給付金・手当一覧
失業保険以外にも、退職後に受け取れる可能性のある給付金や手当があります。
これらの制度を上手に活用することで、退職後の生活をより安定させることができます。
ここでは、失業保険と併せて受け取れる主な給付金を紹介します。
傷病手当と失業保険の関係
失業保険を受給中に病気やケガで働けなくなった場合、「傷病手当」に切り替えることができます。
傷病手当は、失業保険の一種であり、基本手当に代えて支給されるものです。
受給要件と手続きの流れは以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受給要件 | 基本手当の受給資格者が、病気やケガで15日以上働けない状態 |
| 支給額 | 基本手当と同額 |
| 手続き | ハローワークに傷病手当支給申請書を提出 |
傷病の期間が14日以内であれば、基本手当が支給されます。
15日以上になると、基本手当に代えて傷病手当が支給されます。
基本手当からの切り替え方法は、傷病の状態が続いている間、認定日ごとにハローワークで手続きを行います。
傷病手当支給申請書に医師の証明を受けて提出する必要があります。
なお、傷病の状態が長期間続く場合は、受給期間の延長措置を利用できます。
最長4年間まで受給期間を延長できるため、療養に専念してから求職活動を再開することが可能です。
再就職手当の活用法
再就職手当は、失業保険を受給中に早期に再就職した場合に支給される一時金です。
年金を受給している方でも、条件を満たせば再就職手当を受け取ることができます。
早期再就職による給付金の受給条件は以下のとおりです。
- 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っていること
- 1年を超えて雇用されることが確実であること
- 原則として、雇用保険の被保険者になること
- 過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受けていないこと
- 離職前の事業主に再び雇用されたものではないこと
支給額の計算方法は、支給残日数によって異なります。
| 支給残日数 | 支給率 | 計算式 |
|---|---|---|
| 3分の2以上 | 70% | 基本手当日額 × 支給残日数 × 70% |
| 3分の1以上 | 60% | 基本手当日額 × 支給残日数 × 60% |
申請時期は、再就職日の翌日から1カ月以内です。
この期限を過ぎると支給されないため、再就職が決まったらすぐに手続きを行ってください。
年金受給者でも、上記の条件を満たせば再就職手当の対象となります。
就業促進定着手当を受け取る方法
就業促進定着手当は、再就職手当を受けた人が、再就職先で6カ月以上継続して雇用され、かつ再就職後の賃金が離職前より低い場合に支給される手当です。
再就職後の賃金低下時の救済措置として、この制度が設けられています。
申請期間と必要書類は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請期間 | 再就職日から6カ月経過後の翌日から2カ月以内 |
| 必要書類 | 就業促進定着手当支給申請書、出勤簿の写し、給与明細の写しなど |
| 支給額 | (離職前賃金日額 − 再就職後賃金日額)× 再就職後6カ月間の賃金支払日数 |
支給額には上限があり、基本手当日額 × 支給残日数 × 40%(再就職手当で70%支給の場合は30%)が上限となります。
年金との併給可否については、就業促進定着手当は年金との調整はありません。
再就職後に働きながら年金を受け取っている場合でも、就業促進定着手当を受け取ることができます。
教育訓練給付金との組み合わせ
教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講した場合に、その費用の一部が支給される制度です。
失業中の方でも、在職中の方でも利用できます。
専門実践教育訓練給付金の受給方法は以下のとおりです。
- 対象講座:看護師、介護福祉士、美容師などの専門的資格取得を目指す講座
- 支給率:受講費用の最大70%(年間上限56万円)
- 支給期間:最長4年間
- 要件:雇用保険の被保険者期間が3年以上(初回は2年以上)
失業保険受給中の資格取得支援として、この制度を活用することで、再就職に有利な資格を取得しながら給付を受けることができます。
教育訓練支援給付金との違いも押さえておきましょう。
教育訓練支援給付金は、45歳未満の離職者が専門実践教育訓練を受ける場合に、基本手当の80%相当額が追加で支給される制度です。
ただし、年齢制限があるため、60歳以上の方は対象外となります。
高年齢雇用継続基本給付金の活用
高年齢雇用継続基本給付金は、60歳以降も継続して働く場合で、賃金が60歳時点の75%未満に低下した場合に支給される給付金です。
60歳以降も働く場合の給付制度として、重要な役割を果たしています。
支給要件は以下のとおりです。
- 60歳以上65歳未満であること
- 雇用保険の被保険者期間が5年以上あること
- 60歳時点の賃金と比べて75%未満に低下していること
年金との調整ルールの詳細として、高年齢雇用継続給付を受け取ると、在職老齢年金がさらに減額されます。
減額率は最大6%であり、賃金の低下率に応じて変動します。
| 賃金低下率 | 雇用継続給付の支給率 | 年金の減額率 |
|---|---|---|
| 61%以下 | 15% | 6% |
| 61%〜75%未満 | 15%〜0%(逓減) | 6%〜0%(逓減) |
| 75%以上 | 0% | 0% |
失業保険との受給順序については、失業保険を受給中は高年齢雇用継続基本給付金の対象外です。
再就職後、継続して雇用される場合に高年齢雇用継続基本給付金を受け取ることができます。
給付金申請サポート・支援サービス一覧
年金と失業保険の手続きは複雑で、一人で進めるのは不安という方も多いのではないでしょうか。
無料で利用できる公的機関の相談サービスから、有料の専門家によるサポートまで、さまざまな支援サービスが用意されています。
| 相談先 | 主な相談内容 | 費用 |
|---|---|---|
| ハローワーク | 失業保険の申請・受給に関する相談 | 無料 |
| 年金事務所 | 年金の見込額・受給手続きに関する相談 | 無料 |
| 社会保険労務士 | 年金と失業保険を総合した受給戦略の立案 | 有料 |
| 自治体窓口 | 生活支援・就労支援に関する相談 | 無料 |
自分の状況に合ったサービスを選び、上手に活用していきましょう。
ハローワークの窓口相談サービス
ハローワークは、失業保険に関する相談・手続きの窓口として全国に設置されています。
雇用保険に関する無料相談は予約不要で、窓口に直接行けば対応してもらえます。
ただし、混雑していることが多いため、時間に余裕を持って訪問するのがおすすめです。
専門相談員による受給プラン設計では、失業保険の受給資格や給付日数の確認、基本手当日額の計算、受給期間延長の相談、再就職手当などの各種給付金の案内といったサポートを受けられます。
一部のハローワークでは事前予約システムを導入しており、待ち時間を短縮できるようになっています。
| 利用方法 | 特徴 |
|---|---|
| 窓口相談(予約なし) | 混雑時は待ち時間が長くなる場合あり |
| 窓口相談(予約あり) | 一部のハローワークで対応。待ち時間を短縮できる |
| 電話相談 | 簡単な問い合わせであれば電話でも対応可能 |
| ハローワークインターネットサービス | 求人検索や一部の届出がオンラインで可能 |
失業保険の手続きは原則として来所が必要ですが、相談内容によっては電話での問い合わせも可能です。
最寄りのハローワークの連絡先は、厚生労働省のウェブサイトで確認できます。
年金事務所の年金相談サービス
年金事務所は、年金に関する相談・手続きの窓口として各地に設置されています。
特別支給の老齢厚生年金に関する相談では、受給資格の確認や手続き方法の説明を受けることができます。
年金見込額の試算サービスは、窓口相談で年金事務所に直接依頼する方法、ねんきんネットを使ってオンラインで24時間試算する方法、ねんきんダイヤルに電話して試算結果を照会する方法の3つがあります。
年金事務所は予約優先制を採用しているため、事前に予約しておくと待ち時間を大幅に短縮できます。
予約は「予約受付専用電話」または「ねんきんネット」から申し込めます。
相談時に持参すべき書類として、年金手帳または基礎年金番号通知書、本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)、ねんきん定期便(手元にあれば)を準備しておきましょう。
年金相談についてはご予約をお願いしております。ご来所の際は、年金手帳、基礎年金番号通知書等の基礎年金番号がわかる書類をご持参ください。
出典:日本年金機構「年金相談」(https://www.nenkin.go.jp/section/soudan/index.html)
失業保険との調整についても、年金事務所で相談できます。
退職前に一度相談しておくと、受給計画が立てやすくなります。
社会保険労務士による給付金最適化コンサルティング
社会保険労務士は、社会保険や労働保険の専門家として、年金と失業保険の両方に精通しています。
専門家による総合的な受給戦略の立案を依頼することで、自分にとって最も有利な受給プランを見つけることができます。
社会保険労務士に相談するメリットとして、年金と失業保険の両方を踏まえた総合的なアドバイス、個別の状況に応じた詳細なシミュレーション、複雑なケースでの最適な手続き方法の提案、書類作成のサポートなどが挙げられます。
| 相談が有効なケース | 具体例 |
|---|---|
| 複数の年金が絡む場合 | 老齢年金と遺族年金、または障害年金を同時に受給できる可能性がある |
| 複雑な調整が発生する場合 | 高年齢雇用継続給付と在職老齢年金の両方が適用される |
| 退職時期を調整したい場合 | 65歳前後の退職で、最も有利なタイミングを知りたい |
相談費用の相場は、初回相談が無料、または30分〜1時間で5,000円〜10,000円程度が一般的です。
社会保険労務士を選ぶ際は、年金や雇用保険に詳しい専門家を選ぶことが大切です。
全国社会保険労務士会連合会のウェブサイトで、専門分野や対応地域を確認できます。
退職代行・給付金サポートサービス
近年、退職代行サービスや給付金申請サポートサービスが増えています。
給付金申請代行サービスの費用相場は、失業保険申請のサポートが数万円〜10万円程度、給付金最大化コンサルティングが5万円〜20万円程度、退職代行と給付金サポートのセットで10万円〜30万円程度となっています。
ただし、利用にあたっては注意すべき点があります。
「成功報酬」と称して高額な費用を請求されるケース、実際には自分で手続きできる内容にもかかわらず代行料を取られるケース、社会保険労務士でない者が有償で手続きを代行して法律に違反するケースなどが報告されています。
| 確認ポイント | 内容 |
|---|---|
| 運営会社の情報 | 会社名、所在地、連絡先が明確に記載されているか |
| 専門家の関与 | 社会保険労務士が監修または関与しているか |
| 料金体系 | 費用の内訳が明確で、追加料金の有無がわかるか |
| 口コミ・評判 | 実際に利用した人の評価はどうか |
失業保険の手続きは、ハローワークで無料で行えます。
有料サービスを利用する前に、まずは公的機関に相談することをおすすめします。
自治体の生活支援・就労支援窓口
退職後の生活に不安がある場合、自治体の支援を受けることができます。
生活困窮者自立支援制度を活用すれば、生活全般の相談に応じて支援プランを作成する「自立相談支援」、家計の見直しや債務整理のアドバイスを行う「家計改善支援」、就労に向けた訓練や準備をサポートする「就労支援」といったサービスを受けられます。
住居確保給付金は、離職等により住居を失った方、または失うおそれのある方に対して、家賃相当額を支給する制度です。
失業保険を受給していても、一定の条件を満たせば住居確保給付金を受け取ることができます。
| 制度名 | 対象者 | 支給内容 |
|---|---|---|
| 住居確保給付金 | 離職等により住居を失った、または失うおそれのある方 | 家賃相当額(原則3カ月、最長9カ月) |
| 生活福祉資金貸付 | 低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯 | 生活費等の貸付(無利子または低利子) |
公共職業訓練(ハロートレーニング)は、失業保険を受給しながら無料で受講できる講座が多数あります。
自治体の福祉窓口で、これらの制度について相談してみてください。
オンライン給付金シミュレーションツール
自分の年金額や失業保険の金額を事前に把握するために、オンラインのシミュレーションツールを活用しましょう。
日本年金機構の「ねんきんネット」では、年金見込額の試算、年金加入記録の確認、各種届出の電子申請などの機能が利用できます。
ねんきんネットを利用するにはユーザIDの取得が必要ですが、マイナンバーカードをお持ちの方はマイナポータルからアクセスすることもできます。
| ツール名 | 提供元 | 主な機能 |
|---|---|---|
| ねんきんネット | 日本年金機構 | 年金見込額の試算、加入記録の確認 |
| 雇用保険の基本手当日額早見表 | 厚生労働省 | 基本手当日額の目安を確認 |
| 各種シミュレーター | 社会保険労務士事務所等 | 年金と失業保険の総合比較 |
正確な金額はハローワークや年金事務所での手続き時に確定しますが、事前に概算を把握しておくと計画が立てやすくなります。
これらのツールを活用して、年金と失業保険のどちらが有利か、事前に比較検討してみてください。
厚生年金と失業保険を同時にもらうための特例制度
一定の条件を満たす場合、失業保険の給付日数が延長されたり、特別な扱いを受けられたりする特例制度があります。
これらの制度を知っておくことで、より多くの給付を受けられる可能性が広がります。
| 区分 | 主な対象者 | 優遇内容 |
|---|---|---|
| 特定受給資格者 | 倒産・解雇等で離職した人 | 給付日数の延長、給付制限なし |
| 特定理由離職者 | 正当な理由のある自己都合退職者 | 給付制限なし(一部は給付日数も優遇) |
| 就職困難者 | 障害者手帳保持者など | 給付日数が最大360日に延長 |
特定理由離職者・特定受給資格者の優遇措置
会社都合で退職した場合や、正当な理由のある自己都合退職の場合、失業保険の給付が優遇されます。
特定受給資格者は、倒産や解雇などの会社都合で離職した人が該当します。
特定理由離職者は、期間の定めのある労働契約が更新されなかった場合、病気やケガで働けなくなった場合、家族の介護のため退職した場合、配偶者の転勤に伴い退職した場合などが該当します。
会社都合退職と自己都合退職の最も大きな違いは、給付制限の有無です。
自己都合退職の場合は原則2カ月の給付制限がありますが、特定受給資格者・特定理由離職者には給付制限がありません。
特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準については、「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」をご確認ください。
出典:厚生労働省「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001213031.pdf)
給付制限がなくなることで、年金が止まる期間も短くなるというメリットがあります。
特定理由離職者に該当するかどうかはハローワークで判断されますので、該当する可能性がある場合は、診断書や介護の証明書類などを持参して相談してください。
就職困難者として認定される場合の特例
障害者手帳をお持ちの方など、就職が困難と認められる方は、失業保険の給付日数が大幅に延長されます。
就職困難者に認定されると、被保険者期間が1年以上かつ45歳以上65歳未満の場合、給付日数が最大360日まで延長されます。
通常の自己都合退職では最大150日のところ、2倍以上の給付を受けられる可能性があるのです。
| 被保険者期間 | 45歳未満 | 45歳以上65歳未満 |
|---|---|---|
| 1年未満 | 150日 | 150日 |
| 1年以上 | 300日 | 360日 |
ただし、給付日数が長くなる分、年金が停止される期間も長くなる可能性があります。
そのため、年金と失業保険の金額を比較し、どちらが有利か慎重に検討する必要があります。
ハローワークで手続きを行う際は、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、または療育手帳を持参し、離職票や本人確認書類とともに提示してください。
年金と失業保険の手続きで押さえるべき重要ポイント
年金と失業保険を最大限に活用するためには、正しい手続きと適切なタイミングが欠かせません。
手続きのミスや届出の遅れが、受給額に大きな影響を与えることもあります。
| 手続き | 届出先 | 期限・タイミング |
|---|---|---|
| 受給期間延長申請 | ハローワーク | 退職日翌日から30日経過後、1カ月以内 |
| 求職申込・失業保険の申請 | ハローワーク | 退職後、働ける状態になったとき |
| 年金受給開始の届出 | 年金事務所 | 失業保険受給終了後、速やかに |
| 再就職手当の申請 | ハローワーク | 再就職日の翌日から1カ月以内 |
失業保険の受給期間延長申請の具体的手順
病気や介護などで働けない期間がある場合、受給期間延長申請を行うことで、失業保険の権利を失わずに済みます。
申請のタイミングは、退職日の翌日から30日経過後、1カ月以内です。
この期間を過ぎると延長申請ができなくなるため、十分注意してください。
申請の流れとしては、まず退職日から30日経過するまで待ち、30日経過後1カ月以内にハローワークに申請書類を持参します。
受給期間延長申請書はハローワークで入手できますが、会社から交付される離職票-1と離職票-2、延長理由を証明する診断書や母子健康手帳等、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類も必要になります。
受給期間の延長は、原則として受給期間の最後の日までに申請することが必要ですが、延長後の受給期間の最後の日以前であれば、申請は可能です。
出典:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000139508.html)
延長可能な期間は、最長で本来の受給期間(1年間)に加えて3年間、合計4年間までです。
延長が認められる主な理由は、病気、ケガ、妊娠、出産、育児、親族の介護などです。
働けるようになったら、ハローワークで求職の申込を行い、失業保険の受給を開始できます。
年金事務所への届出が必要なケース
失業保険と年金の両方に関係する手続きでは、年金事務所への届出が必要になる場合があります。
届出を怠ると、年金の過払い金が発生して返還を求められたり、年金の再開が遅れたりする可能性があります。
届出が必要なケースとして、失業保険(基本手当)の受給を開始したとき、失業保険の受給が終了したとき、再就職が決まったときが挙げられます。
特に失業保険の受給終了後は、「雇用保険受給資格者証」(受給終了の記載があるもの)を年金事務所に提出する必要があります。
| 届出のタイミング | 届出内容 | 届出を怠った場合のリスク |
|---|---|---|
| 失業保険受給開始時 | 失業保険を受給する旨の届出 | 年金の過払いが発生する可能性 |
| 失業保険受給終了時 | 雇用保険受給資格者証の提出 | 年金の再開が遅れる可能性 |
| 再就職時 | 再就職届、就業届など | 手当の受給漏れの可能性 |
手続きは面倒に感じるかもしれませんが、後からトラブルになることを避けるため、その都度きちんと届け出ることが大切です。
不明な点があれば、年金事務所に問い合わせてください。
両方を最大限活用するための受給スケジュール設計
年金と失業保険を最大限に活用するためには、退職時期の調整と受給スケジュールの設計が重要です。
退職時期の調整による受給額最適化のポイントとして、65歳直前の退職で高年齢求職者給付金と年金の同時受給が可能になること、年度末(3月末)の退職で翌年度の社会保険料の軽減効果があること、賞与支給後の退職で退職金や失業保険の計算に有利になる場合があることなどが挙げられます。
65歳の誕生日を迎える月に失業保険を受給している場合、その月までは基本手当、翌月からは高年齢求職者給付金の対象となる可能性があるため、誕生月と給付日数の関係性も考慮しましょう。
| 退職時期 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 65歳の誕生日直前 | 高年齢求職者給付金と年金の同時受給が可能 | ハローワークへの届出日に注意 |
| 年度末(3月末) | 翌年度の社会保険料軽減 | 退職金の支給時期を確認 |
| 賞与支給後 | 失業保険の計算に有利な場合あり | 会社の賞与支給規定を確認 |
年度をまたぐ場合は、健康保険料・国民年金保険料が年度ごとに変わること、住民税は前年の所得に基づいて計算されること、失業保険の基本手当日額の上限が毎年8月に改定されることにも注意が必要です。
複雑なケースでは、社会保険労務士に相談することをおすすめします。
年金と失業保険で損をしないための最終確認事項
退職前に確認すべきことをすべて整理しました。
漏れなく準備を進めることで、年金と失業保険を最大限に活用できます。
受給開始前の最終チェックポイント
退職前に確認しておくべき項目として、雇用保険の被保険者期間と給付日数、特別支給の老齢厚生年金の受給資格と金額、失業保険の基本手当日額の見込み、年金と失業保険でどちらが有利かの比較、退職日の設定と65歳の誕生日との関係、健康保険の切り替え先(任意継続、国保、被扶養者)、退職金の支給時期と税金、生活資金の準備状況(最低3〜4カ月分)があります。
| チェック項目 | 確認先 |
|---|---|
| 雇用保険の被保険者期間 | 給与明細、ハローワーク |
| 年金の受給資格・見込額 | ねんきん定期便、年金事務所 |
| 失業保険の基本手当日額 | ハローワーク |
| 健康保険の切り替え先 | 会社の人事部門、健康保険組合 |
| 退職金の支給時期・税金 | 会社の人事部門 |
これらの項目を一つずつ確認し、不明な点があれば事前に相談しておきましょう。
ハローワークと年金事務所への相談タイミング
相談は、退職の2〜3カ月前から始めるのが理想的です。
退職2〜3カ月前には年金事務所で年金見込額の確認や受給開始時期の相談を行い、退職1〜2カ月前にはハローワークで失業保険の給付日数や基本手当日額の確認を行います。
退職直後にはハローワークで求職申込と失業保険の手続きを行い、失業保険受給終了後には年金事務所で年金再開の届出を行います。
| 時期 | 相談先 | 相談内容 |
|---|---|---|
| 退職2〜3カ月前 | 年金事務所 | 年金見込額の確認、受給開始時期の相談 |
| 退職1〜2カ月前 | ハローワーク | 失業保険の給付日数、基本手当日額の確認 |
| 退職直後 | ハローワーク | 求職申込、失業保険の手続き |
| 失業保険受給終了後 | 年金事務所 | 年金再開の届出 |
事前に相談しておくことで、退職後の手続きがスムーズに進みます。
予約制の場合が多いため、早めに予約を取ることをおすすめします。
専門家(社会保険労務士)への相談が必要なケース
複数の年金(老齢、遺族、障害)を受給できる可能性がある場合、高年齢雇用継続給付と在職老齢年金の調整が複雑な場合、退職時期の調整で受給額を最大化したい場合、特定理由離職者に該当するか判断が難しい場合、過去の年金記録に漏れや誤りがある可能性がある場合などは、社会保険労務士への相談をおすすめします。
社会保険労務士は、年金と雇用保険の両方に精通した専門家です。
複雑なケースでは、専門家のアドバイスを受けることで、数十万円以上の差が出ることもあります。
社会保険労務士は、社会保険労務士法に基づいた国家資格者です。労働・社会保険に関する諸問題について、企業や個人に対してアドバイスや指導を行います。
出典:全国社会保険労務士会連合会「社会保険労務士とは」(https://www.shakaihokenroumushi.jp/about/tabid/203/Default.aspx)
相談費用はかかりますが、それ以上のメリットが得られる場合も多いです。
よくある質問と回答
年金と失業保険に関して、よく寄せられる質問に回答します。
失業保険と年金を両方もらうにはどうしたらいいですか?
65歳未満の場合、失業保険(基本手当)と特別支給の老齢厚生年金を同時に受け取ることはできません。
どちらか一方を選択するか、失業保険を先に受給してから年金を受け取る方法が一般的です。
65歳以上の場合は、高年齢求職者給付金と老齢厚生年金を同時に受け取ることができます。
64歳11カ月で退職し、65歳の誕生日以降にハローワークで求職申込をする方法も、同時受給を実現する一つの戦略です。
年金受給中に求職活動をすると失業保険はもらえるのか?
特別支給の老齢厚生年金を受給中の方がハローワークで求職申込をすると、年金が支給停止となり、失業保険(基本手当)を受け取ることができます。
この場合、年金と失業保険を同時に受け取ることはできませんが、失業保険の方が金額が高い場合は、切り替えることで総受給額を増やせる可能性があります。
65歳以上の場合は、年金を受給しながら求職活動を行い、高年齢求職者給付金を受け取ることが可能です。
65歳以上で両方の給付を受ける場合の手続き方法は?
65歳以上で退職した場合、以下の手順で両方の給付を受けられます。
- 会社から離職票を受け取る
- ハローワークで求職申込と高年齢求職者給付金の申請を行う
- 7日間の待期期間を経過後、認定日に失業の認定を受ける
- 高年齢求職者給付金が一括で振り込まれる
老齢厚生年金は、高年齢求職者給付金を受け取っても支給停止にはなりません。
両方を同時に受け取ることができます。
64歳で退職した際の失業保険と年金の受給順序は?
64歳で退職した場合、まず失業保険(基本手当)と特別支給の老齢厚生年金の金額を比較することが重要です。
失業保険の基本手当日額が年金の日額換算より高い場合は、失業保険を優先する方が有利です。
逆に、年金の方が高い場合は、年金を受け取り続ける選択肢もあります。
また、65歳の誕生日が近い場合は、65歳以降にハローワークで求職申込をすることで、高年齢求職者給付金と年金を同時に受け取れる可能性があります。
この判断は個人の状況によって異なるため、退職前に年金事務所とハローワークで相談することをおすすめします。
特別支給の老齢厚生年金を受給中に退職した場合の対応は?
特別支給の老齢厚生年金を受給中に退職した場合、失業保険を受給するかどうかを選択する必要があります。
失業保険を受給する場合は、ハローワークで求職申込をした月の翌月から年金が支給停止になります。
失業保険を受給せず、年金を継続して受け取ることも可能です。
どちらが有利かは、基本手当日額と年金月額を比較して判断してください。
また、失業保険の受給が終了したら、年金事務所に届け出ることで年金の支給が再開されます。
失業保険の給付制限期間中は年金を受け取れるのか?
自己都合退職の場合、失業保険には原則2カ月の給付制限期間があります。
この給付制限期間中も、特別支給の老齢厚生年金は支給停止となります。
つまり、求職申込をした日の属する月の翌月から、実際に失業保険を受け取り始めるまでの間、年金も失業保険も受け取れない期間が発生します。
この期間の生活費をどう確保するかは、退職前に計画しておく必要があります。
最低でも3〜4カ月分の生活資金を準備しておくことをおすすめします。
年金を繰り下げ受給すれば失業保険と同時にもらえるのか?
65歳からの老齢厚生年金を繰り下げ受給する場合、繰り下げ期間中は年金を受け取らないため、結果として失業保険だけを受け取ることになります。
これは「同時にもらう」とは異なりますが、失業保険を受給した後に増額された年金を受け取るという戦略は可能です。
繰り下げ受給をすると、1カ月あたり0.7%、最大75歳まで繰り下げると84%の増額になります。
ただし、繰り下げ期間中は年金を受け取れないため、その間の生活資金をどう確保するかを考慮する必要があります。
繰り下げ受給の判断は、平均余命や健康状態、他の収入源なども考慮して総合的に判断してください。
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