懲戒解雇でも失業保険はもらえる?受給条件・金額・申請方法を徹底解説

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「懲戒解雇されたら失業保険はもらえないのでは…」と不安を抱えていませんか。

結論からお伝えすると、懲戒解雇されても失業保険(基本手当)は受給できます

ただし「重責解雇」に該当するかどうかで、受給開始時期や給付日数が大きく変わってきます。

重責解雇に該当すると3ヶ月の給付制限期間が発生し、給付日数も少なくなってしまいます。

一方で、重責解雇に該当しなければ、会社都合退職と同じ扱いで手厚い給付を受けられる可能性があります。

この記事では、懲戒解雇後の失業保険について、受給条件・金額・申請方法をわかりやすく解説します。

懲戒解雇という厳しい状況でも、正しい知識を持てば適切な給付を受けられます。

まずは失業保険の受給条件を確認し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。

一人で悩まず、民間の退職サポートサービスに相談してみてはいかがでしょうか。


懲戒解雇された場合でも失業保険(基本手当)は受給できるのか

懲戒解雇は労働者にとって最も重い処分であり、多くの方が「失業保険をもらえないのでは」と心配されます。

しかし、懲戒解雇と失業保険の受給は別の問題です。

雇用保険に加入していた期間など、一定の条件を満たしていれば、懲戒解雇であっても基本手当を受け取ることができます。

重要なのは「重責解雇」に該当するかどうかという点です。

重責解雇とは、労働者の責めに帰すべき重大な理由による解雇のことを指します。

この判断によって、待機期間後すぐに受給できるか、3ヶ月の給付制限を受けるかが決まります。

まずは懲戒解雇の基本的な知識と、失業保険との関係を正しく理解しておきましょう。

結論|懲戒解雇されても失業保険は受け取れる

「懲戒解雇=失業保険がもらえない」という認識は誤りです。

懲戒解雇された場合でも、雇用保険の受給要件を満たしていれば、基本手当を受け取ることができます。

失業保険の受給において重要なのは、解雇の種類ではなく、雇用保険の加入期間や求職活動の意思です。

懲戒解雇後に失業保険を受け取るための基本条件

  • 雇用保険の被保険者期間が一定以上あること
  • ハローワークで求職の申し込みをしていること
  • 働く意思と能力があること
  • 7日間の待機期間を満了していること

ただし、懲戒解雇の理由が「重責解雇」に該当する場合は、受給開始までに3ヶ月の給付制限期間が発生します。

また、給付日数も「一般離職者」と同じ扱いになるため、会社都合退職より少なくなります。

逆に言えば、重責解雇に該当しなければ、待機期間7日後から受給を開始でき、給付日数も優遇されます

自分の懲戒解雇が重責解雇に該当するかどうかを確認することが、まず最初のステップとなります。

懲戒解雇と普通解雇・整理解雇との違い

解雇には複数の種類があり、それぞれ性質や法的な扱いが異なります。

懲戒解雇は、労働者の重大な非違行為に対する制裁として行われる解雇です。

会社の就業規則に基づき、最も重い懲戒処分として位置づけられています。

解雇の種類 定義 主な理由 退職金
懲戒解雇 重大な非違行為に対する制裁 横領・犯罪行為・重大な規則違反 不支給または減額が多い
普通解雇 労働契約の継続が困難な場合 能力不足・協調性欠如・病気 支給されることが多い
整理解雇 経営上の理由による人員削減 業績悪化・事業縮小・倒産 支給される(上乗せも)

懲戒解雇の特徴として、退職金が不支給または大幅に減額されるケースが多いことが挙げられます。

また、解雇予告なしに即日解雇されることもあり、労働者にとって経済的・精神的なダメージが大きい処分です。

一方で、普通解雇や整理解雇は会社側の事情も含まれるため、失業保険では会社都合退職として扱われやすくなります。

懲戒解雇の場合は、その理由によって失業保険の扱いが変わるため、後述する「重責解雇」の判断が重要になります。

懲戒解雇は「会社都合」か「自己都合」か?離職理由の扱い

懲戒解雇が会社都合になるか自己都合になるかは、単純には決められません

ハローワークでは「重責解雇」に該当するかどうかで、離職理由の扱いを判断します。

離職票には離職理由コードが記載され、このコードによって給付制限の有無や給付日数が決まります。

懲戒解雇における離職理由コードの分類

  • 重責解雇に該当する場合:離職理由コード「5E」(自己都合と同様の扱い)
  • 重責解雇に該当しない場合:離職理由コード「1A」など(会社都合扱い)

重責解雇に該当するかどうかは、厚生労働省が定める基準に基づいて判断されます。

横領や犯罪行為など、明らかに労働者に重大な責任がある場合は重責解雇となります。

一方で、会社が「懲戒解雇」として処理しても、ハローワークが重責解雇に該当しないと判断すれば、会社都合退職と同じ扱いを受けられる可能性があります

離職票に記載された理由に納得できない場合は、ハローワークで異議を申し立てることも可能です。


懲戒解雇で失業保険を受給するための3つの条件

懲戒解雇後に失業保険を受け取るには、いくつかの条件をクリアする必要があります。

これらの条件は、懲戒解雇に限らず、すべての離職者に共通するものです。

条件を満たしていなければ、たとえ長年働いていても失業保険を受け取ることはできません。

以下で3つの条件について詳しく解説します。

条件①|雇用保険の被保険者期間が一定以上あること

失業保険を受給するには、離職前に一定期間、雇用保険に加入している必要があります

原則として、離職日以前の2年間に「被保険者期間」が12ヶ月以上あることが条件です。

被保険者期間とは、雇用保険に加入していた期間のうち、賃金支払基礎日数が11日以上ある月を指します。

被保険者期間の要件

離職理由 必要な被保険者期間
重責解雇に該当する場合 離職前2年間に12ヶ月以上
重責解雇に該当しない場合 離職前1年間に6ヶ月以上
一般の自己都合退職 離職前2年間に12ヶ月以上

重責解雇に該当しない場合は、特定受給資格者として扱われる可能性があります

この場合、被保険者期間の要件が緩和され、離職前1年間に6ヶ月以上あれば受給資格を得られます。

自分の被保険者期間は、ハローワークで確認することができます。

転職歴がある方は、複数の会社での被保険者期間を通算できる場合もあるので、確認してみましょう

条件②|ハローワークで求職の申し込みをしていること

失業保険は、再就職を支援するための給付です。

そのため、ハローワークで求職の申し込みを行い、積極的に仕事を探す意思があることを示す必要があります

単に失業しているだけでは受給資格は認められません。

求職申し込み時に必要なもの

  • 離職票(離職票-1および離職票-2)
  • マイナンバーカードまたは通知カード
  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 写真2枚(縦3cm×横2.4cm)
  • 印鑑
  • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

ハローワークでは、求職申込書に希望する職種や勤務条件などを記入します。

その後、職員との面談を経て、受給資格があるかどうかの判定が行われます。

求職活動は形式的なものではなく、実際に就職に向けた活動を行う必要があります

認定日ごとに求職活動の実績を報告し、活動が不十分だと給付が受けられなくなることもあります。

条件③|待機期間を満了していること

失業保険の受給を開始するには、7日間の「待機期間」を満了する必要があります

この待機期間は、離職理由に関係なく、すべての受給資格者に適用されます。

待機期間は、ハローワークで求職の申し込みをした日から数えて7日間です。

待機期間に関する注意点

  • 待機期間中は失業の状態を維持する必要がある
  • アルバイトや内職をすると待機期間が延長される
  • 病気やケガで働けない日は待機期間に含まれない
  • 待機期間中に就職が決まると受給資格を失う

待機期間は、本当に失業状態にあるかを確認するための期間とされています。

この7日間が経過した翌日から、失業保険の給付対象期間が始まります。

ただし、重責解雇に該当する場合は、待機期間終了後にさらに3ヶ月の給付制限期間があります

この給付制限期間中は、失業保険を受け取ることができません。


懲戒解雇が「重責解雇」に該当すると失業保険はもらえない?判断基準と7つの該当ケース

懲戒解雇されたとき、最も気になるのが「重責解雇に該当するかどうか」です。

重責解雇に該当すると、3ヶ月の給付制限期間が発生し、給付日数も少なくなってしまいます。

ここでは、重責解雇の定義と判断基準、該当するケースと該当しないケースについて詳しく解説します。

重責解雇の定義と判断基準

重責解雇とは「自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇」のことです。

厚生労働省が定める基準に基づき、ハローワークが個別に判断します。

会社が懲戒解雇として処理しても、必ずしも重責解雇に該当するわけではありません。

「自己の責めに帰すべき重大な理由」とは、労働者が故意に事業所に損害を与えた場合や、故意に法令に違反した場合などをいいます。

出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当について」

重責解雇の判断ポイント

  • 労働者に故意または重大な過失があったか
  • 行為の悪質性や反復性があるか
  • 会社への損害の程度が大きいか
  • 社会通念上、解雇が相当といえるか

重要なのは、会社の判断ではなく、ハローワークが客観的に判断するという点です。

離職票に記載された離職理由と、ハローワークの判断が異なることもあります。

自分のケースが重責解雇に該当するか不安な場合は、ハローワークで相談してみましょう。

重責解雇に該当する7つのケース

厚生労働省の基準では、以下のようなケースが重責解雇に該当するとされています

これらに該当する場合は、3ヶ月の給付制限期間が発生します。

1. 刑法犯罪による解雇

横領・窃盗・詐欺・傷害など、刑事事件に該当する行為を理由に解雇された場合です。

会社の金品を着服した場合や、取引先を騙して私的な利益を得た場合などが該当します。

2. 賭博・風紀紊乱による解雇

職場での賭博行為や、著しく風紀を乱す行為を理由に解雇された場合です。

職場内での不正な金銭のやり取りや、ハラスメント行為なども含まれることがあります。

3. 長期間の無断欠勤

正当な理由なく、長期間にわたって無断欠勤を続けた場合です。

一般的には、2週間以上の無断欠勤が目安とされています。

4. 重要な経歴詐称

採用の判断に影響を与えるような重要な経歴を詐称していた場合です。

学歴・職歴・資格などを偽って採用された場合が該当します。

5. 二重就職

会社に無断で他社に就職し、本来の業務に支障をきたした場合です。

副業禁止の会社で無断で副業を行っていた場合なども含まれます。

6. 会社の機密漏洩・信用失墜行為

会社の機密情報を外部に漏らしたり、会社の信用を著しく傷つける行為を行った場合です。

競合他社への情報提供や、SNSでの誹謗中傷なども該当する可能性があります。

7. 事業所設備の故意の破壊

会社の設備や器具を故意に破壊した場合です。

器物損壊に該当するような行為を意図的に行った場合が対象となります。

重責解雇に該当するケースの一覧

該当ケース 具体例
刑法犯罪 会社の金を横領、取引先への詐欺
賭博・風紀紊乱 職場での賭博、セクハラ・パワハラ
長期無断欠勤 連絡なしで2週間以上欠勤
経歴詐称 学歴・資格の詐称
二重就職 無断での副業・兼業
機密漏洩 顧客情報の持ち出し、競合への情報提供
設備の故意破壊 機械・備品の意図的な破損

重責解雇に該当しないケース

懲戒解雇であっても、以下のようなケースは重責解雇に該当しない可能性があります

この場合、会社都合退職と同様の扱いを受けられることがあります。

重責解雇に該当しない可能性があるケース

  • 軽微な就業規則違反による解雇
  • 能力不足や成績不振を理由とする解雇
  • 会社との相性が合わないことを理由とする解雇
  • 会社側の判断が不当・過剰な場合
  • 解雇理由と処分の重さが釣り合わない場合

例えば、数回の遅刻や軽微なミスを理由に懲戒解雇された場合、処分が重すぎると判断されることがあります。

また、パワハラが原因で出勤できなくなり、無断欠勤扱いで懲戒解雇されたようなケースも、重責解雇に該当しない可能性があります

会社が「懲戒解雇」と言っていても、ハローワークの判断は異なることがあります。

納得できない場合は、あきらめずにハローワークで相談してみましょう。

【独自】重責解雇の該当・非該当は誰が判断するのか

重責解雇に該当するかどうかの最終判断は、ハローワーク(公共職業安定所)が行います

会社が離職票に記載した離職理由が、そのまま採用されるわけではありません。

離職票の記載と実態が異なる場合、異議を申し立てることができます。

異議申し立ての流れ

  1. ハローワークで求職申し込み時に、離職理由に異議があることを伝える
  2. 会社の主張と自分の主張の両方をハローワークが確認
  3. 必要に応じて、会社への事実確認が行われる
  4. ハローワークが客観的な資料に基づいて判断
  5. 判断結果に基づいて受給資格が決定

異議申し立ての際には、自分の主張を裏付ける証拠を用意しておくと有利です。

メールのやり取り、勤務記録、医師の診断書など、客観的な資料があれば提出しましょう

弁護士や社会保険労務士に相談してからハローワークに行くのも一つの方法です。

専門家のアドバイスを受けることで、適切な対応ができるようになります。


懲戒解雇の失業保険はいつからもらえる?待機期間と給付制限

懲戒解雇後、失業保険がいつから受け取れるかは、重責解雇に該当するかどうかで大きく異なります。

重責解雇に該当しなければ比較的早く受給を開始できますが、該当する場合は長い給付制限期間を待つことになります。

ここでは、それぞれのケースにおける受給開始時期を詳しく解説します。

重責解雇に該当しない場合|待機期間7日後から受給可能

懲戒解雇が重責解雇に該当しない場合、会社都合退職と同様の扱いを受けられます

この場合、7日間の待機期間が終了すれば、すぐに給付対象期間が始まります。

給付制限期間がないため、早ければ申請から約1ヶ月後には初回の振込を受けられます

重責解雇に該当しない場合の受給スケジュール(例)

時期 内容
離職日 会社から離職票を受け取る
求職申込日 ハローワークで手続き開始
申込日〜7日目 待機期間(失業状態を維持)
8日目以降 給付対象期間スタート
約4週間後 初回認定日(求職活動実績を報告)
認定日から約1週間後 初回の基本手当が振込

会社都合扱いになると、給付日数も優遇されます。

また、国民健康保険料の軽減措置を受けられる場合もあります。

重責解雇に該当しない可能性がある場合は、ハローワークで積極的に相談しましょう

重責解雇に該当する場合|3ヶ月の給付制限期間あり

重責解雇に該当すると判断された場合、7日間の待機期間に加えて、3ヶ月(約90日)の給付制限期間が発生します

この期間中は失業保険を受け取ることができません。

以前は給付制限期間が3ヶ月でしたが、2020年10月以降、一定の条件を満たす自己都合退職は2ヶ月に短縮されました。

ただし、重責解雇の場合は短縮の対象外となり、引き続き3ヶ月の給付制限が適用されます

給付制限期間中にすべきこと

  • 積極的な求職活動を継続する
  • アルバイトで生活費を確保する(週20時間未満が目安)
  • 国民健康保険・国民年金の手続きを行う
  • 転職サイトへの登録や履歴書の準備を進める
  • 必要に応じて職業訓練の申し込みを検討する

給付制限期間中もハローワークでの求職活動は必要です。

この期間を有効活用して、再就職に向けた準備を進めましょう。

生活費が心配な場合は、社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度なども検討してみてください。

【独自】「クビになったらすぐもらえる」は間違い?実際のスケジュール

「会社をクビになったらすぐに失業保険がもらえる」と思っている方も多いですが、実際はそうではありません。

どんな理由で離職しても、申請から初回振込までには一定の時間がかかります

重責解雇に該当しない場合でも、最短で約1ヶ月はかかると考えておきましょう。

実際の受給スケジュール(重責解雇非該当の場合)

経過日数 イベント
0日目 離職日(会社を退職)
約10日後 離職票が届く(届かない場合は会社に催促)
離職票受取後すぐ ハローワークで求職申込・受給資格決定
申込から7日間 待機期間
約2週間後 雇用保険説明会に参加
約4週間後 初回認定日(失業の認定を受ける)
認定日から5〜7日後 初回の基本手当が口座に振込

重責解雇に該当する場合は、上記に加えて3ヶ月の給付制限期間が入ります

つまり、申請から初回振込まで約4ヶ月かかることになります。

懲戒解雇後の生活に備えて、ある程度の貯蓄を確保しておくことが重要です。

貯蓄がない場合は、アルバイトや各種支援制度の活用を検討しましょう。


懲戒解雇の失業保険はいくらもらえる?1日あたりの受給額と計算方法

懲戒解雇後に受け取れる失業保険の金額は、在職中の給与に基づいて計算されます。

ここでは、1日あたりの受給額(基本手当日額)の計算方法と、総支給額の目安を解説します。

基本手当日額の計算式

失業保険の1日あたりの金額を「基本手当日額」といいます。

基本手当日額は、離職前6ヶ月間の賃金をもとに計算される「賃金日額」に、一定の給付率をかけて算出されます

基本手当日額の計算方法

  1. 離職前6ヶ月間の賃金総額を確認(賞与は含まない)
  2. 賃金総額を180日で割って「賃金日額」を算出
  3. 賃金日額に給付率(45%〜80%)をかけて基本手当日額を算出

給付率は賃金日額によって異なり、賃金が低い人ほど高い給付率が適用されます

これは、低所得者の生活を保護するための仕組みです。

賃金日額 給付率
2,746円以上〜5,110円未満 80%
5,110円以上〜12,580円以下 50%〜80%
12,580円超〜(上限額まで) 45%〜50%

具体的な給付率は年齢や賃金日額によって細かく決まっているため、正確な金額はハローワークで確認しましょう。

年齢別の基本手当日額の上限・下限

基本手当日額には、年齢に応じた上限額と下限額が設定されています

どれだけ高収入だった人でも、上限額を超える基本手当日額は支給されません。

基本手当日額の上限・下限(2024年8月1日改定)

年齢区分 基本手当日額の上限 基本手当日額の下限
29歳以下 6,945円 2,196円
30〜44歳 7,715円 2,196円
45〜59歳 8,490円 2,196円
60〜64歳 7,294円 2,196円

この上限額・下限額は毎年8月1日に改定されます。

最新の金額については、ハローワークの窓口や厚生労働省のホームページで確認してください。

なお、上記の金額は目安であり、実際の支給額は個人の状況によって異なります

重責解雇該当・非該当別の給付日数一覧

失業保険を受け取れる日数(所定給付日数)は、離職理由・年齢・被保険者期間によって決まります

重責解雇に該当するかどうかで、大きく異なります。

重責解雇に該当する場合の給付日数(一般離職者と同じ)

被保険者期間 給付日数(全年齢共通)
1年未満 なし(受給資格なし)
1年以上10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日

重責解雇に該当しない場合の給付日数(特定受給資格者)

被保険者期間 30歳未満 30〜34歳 35〜44歳 45〜59歳 60〜64歳
1年未満 90日 90日 90日 90日 90日
1年以上5年未満 90日 120日 150日 180日 150日
5年以上10年未満 120日 180日 180日 240日 180日
10年以上20年未満 180日 210日 240日 270日 210日
20年以上 240日 270日 330日 240日

重責解雇に該当するかどうかで、給付日数に大きな差が出ることがわかります。

例えば、45歳で被保険者期間15年の場合、重責解雇該当なら120日、非該当なら270日と、150日もの差があります

だからこそ、重責解雇に該当するかどうかの判断は非常に重要なのです。

【独自】具体的なシミュレーション|月給25万円・35歳のケース

実際にどれくらいの金額を受け取れるのか、具体的な例でシミュレーションしてみましょう。

シミュレーション条件

  • 年齢:35歳
  • 離職前の月給:25万円(賞与除く)
  • 被保険者期間:8年
  • 懲戒解雇の内容:重責解雇に該当しないケース

計算の流れ

  1. 離職前6ヶ月の賃金総額 = 25万円 × 6ヶ月 = 150万円
  2. 賃金日額 = 150万円 ÷ 180日 = 約8,333円
  3. 基本手当日額 = 8,333円 × 約60% = 約5,000円
  4. 所定給付日数(35〜44歳、5年以上10年未満)= 180日
  5. 総支給額の目安 = 5,000円 × 180日 = 約90万円
項目 金額・日数
賃金日額 約8,333円
基本手当日額 約5,000円
所定給付日数 180日
総支給額(目安) 約90万円

もし同じ条件で重責解雇に該当した場合、給付日数は90日となり、総支給額は約45万円になります

重責解雇に該当するかどうかで、約45万円もの差が生じることになります。

このシミュレーションはあくまで目安です。

正確な金額はハローワークで計算してもらいましょう。


懲戒解雇で失業保険を申請する方法・流れ【5ステップ】

懲戒解雇後の失業保険の申請は、通常の離職と基本的に同じ手順で進めます。

ただし、離職理由の確認など、注意すべきポイントがいくつかあります。

ここでは、申請から受給開始までの流れを5つのステップで解説します。

STEP1|会社から離職票を受け取る

失業保険の申請に必要な「離職票」は、退職後に会社から発行されます

通常、退職日から10日〜2週間程度で届きますが、届かない場合は会社に催促しましょう。

離職票には「離職票-1」と「離職票-2」の2種類があります。

離職票で確認すべきポイント

  • 離職理由が正しく記載されているか
  • 被保険者期間が正しいか
  • 賃金額に誤りがないか
  • 会社の記載と自分の認識に相違がないか

特に離職理由の欄は重要です

会社が「重責解雇」として記載していても、事実と異なる場合はハローワークで異議を申し立てることができます。

離職票が届かない場合の対処法

  • まず会社の人事部門に連絡して催促する
  • それでも届かない場合は、ハローワークに相談する
  • ハローワークから会社に対して発行を促してもらえる

懲戒解雇の場合、会社との関係が悪化していることも多いですが、離職票の発行は会社の義務です。

届かない場合は遠慮せずにハローワークに相談しましょう。

STEP2|ハローワークで求職の申し込み・受給資格の決定

離職票を受け取ったら、住所地を管轄するハローワークで手続きを行います

「求職の申し込み」と「受給資格の決定」を同時に行うことになります。

ハローワークに持参するもの

必要書類 備考
離職票-1、離職票-2 会社から届いたもの
マイナンバーカード または通知カード+身元確認書類
本人確認書類 運転免許証、パスポートなど
証明写真2枚 縦3cm×横2.4cm、3ヶ月以内撮影
印鑑 認印で可
本人名義の預金通帳 またはキャッシュカード

手続きの際、窓口で離職理由について確認されます。

会社の記載と異なる主張がある場合は、このタイミングで申し出ましょう

受給資格が認められると「雇用保険受給資格者証」が交付されます。

STEP3|雇用保険説明会への参加

受給資格の決定後、指定された日時に「雇用保険説明会」に参加します

この説明会は、失業保険の仕組みや求職活動について説明を受ける場です。

参加は必須であり、欠席すると受給が遅れる可能性があります。

説明会で説明される内容

  • 失業保険(基本手当)の仕組み
  • 認定日のスケジュールと出席方法
  • 求職活動の実績として認められる活動
  • 不正受給に対する注意事項
  • 再就職手当などの各種手当について

説明会の所要時間は約2時間程度です。

説明会で「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を受け取ります

これらの書類は、今後の手続きで必要になるので大切に保管してください。

STEP4|待機期間の満了(全員共通7日間)

求職の申し込みをした日から7日間は「待機期間」となります

この期間は全員に共通で適用され、失業状態を維持する必要があります。

待機期間中に収入を得ると、待機期間が延長されてしまいます。

待機期間中の注意事項

  • アルバイトや内職をしない
  • 就職活動は行ってもよいが、就職は避ける
  • 病気やケガで働けない場合は待機期間に算入されない
  • 日雇いバイトなども避ける

7日間の待機期間が終了すると、給付対象期間が始まります。

ただし、重責解雇に該当する場合は、ここからさらに3ヶ月の給付制限期間に入ります

給付制限期間中は基本手当を受け取れませんが、求職活動は継続する必要があります。

STEP5|失業認定日にハローワークへ来所・基本手当の振込

基本手当を受け取るには、4週間に1回の「失業認定日」にハローワークへ出向く必要があります

認定日には、前回の認定日から当日までの求職活動実績を報告します。

求職活動として認められる活動

  • ハローワークでの職業相談・職業紹介
  • 求人への応募(書類選考・面接)
  • 民間の職業紹介事業者での職業相談
  • 公的機関が実施する就職セミナーへの参加
  • 資格試験の受験(再就職に関連するもの)

原則として、認定日までに2回以上の求職活動実績が必要です

ただし、初回認定日については1回の実績で足りる場合もあります。

認定を受けると、約5〜7日後に基本手当が指定口座に振り込まれます。

認定日に出席できない場合は、事前にハローワークに連絡して変更手続きを行いましょう。


懲戒解雇後の転職活動で「解雇理由」はバレる?雇用保険からの発覚リスク

懲戒解雇された方が最も心配するのが、「転職先に懲戒解雇がバレるのではないか」という点です。

ここでは、どのような経路で懲戒解雇が発覚する可能性があるのか、対策とあわせて解説します。

離職票・雇用保険被保険者証から懲戒解雇はバレるのか

結論から言うと、離職票や雇用保険被保険者証から直接懲戒解雇がバレることはありません

転職先に提出する書類からは、基本的に懲戒解雇の事実はわかりません。

転職時に提出を求められる書類

書類 懲戒解雇の記載
雇用保険被保険者証 なし(被保険者番号のみ)
源泉徴収票 なし(給与・税額のみ)
年金手帳・基礎年金番号通知書 なし
健康保険資格喪失証明書 なし

離職票は転職先には提出しないため、離職理由コードを見られることもありません。

雇用保険被保険者証には被保険者番号と氏名・生年月日が記載されているだけです。

ただし、これはあくまで書類上の話です。

他の経路から発覚する可能性は残されています。

失業保険の受給期間・給付制限から推測されるリスク

直接的にバレることはなくても、状況から推測される可能性はあります

例えば、退職から再就職までの期間が長い場合、採用担当者が疑問を持つことがあります。

推測されやすいポイント

  • 退職から就職活動開始までの空白期間が長い
  • 前職の在籍期間が短い
  • 退職理由の説明が曖昧または不自然
  • 前職についての質問に対する回答が消極的

面接で退職理由を聞かれた際、明らかに不自然な回答をすると不信感を持たれます。

かといって、懲戒解雇を隠して虚偽の説明をすることにもリスクがあります

後から発覚した場合、経歴詐称として解雇される可能性があるためです。

【独自】前職調査で発覚するケースと対策

転職先によっては、採用前に「前職調査」や「リファレンスチェック」を行うことがあります。

この調査で懲戒解雇の事実が発覚するケースがあります

前職調査の方法

  • 前職の会社に電話で在籍確認を行う
  • リファレンスチェック(前職の上司などへのヒアリング)
  • 身元調査会社による調査
  • SNSやインターネット上の情報確認

ただし、前職の会社が退職理由を詳細に伝えることは、個人情報保護の観点から一般的ではありません。

多くの会社は「在籍期間」と「退職の事実」のみを回答する傾向にあります。

対策として考えられること

  • 前職調査がある可能性を想定して準備しておく
  • 面接では正直に、ただし前向きに説明する
  • 反省している点と今後の改善姿勢を示す
  • 前職以外のリファレンス(以前の上司など)を用意する

経歴詐称は、発覚した場合のリスクが非常に高いです

後から懲戒解雇歴が発覚すると、転職先でも解雇される可能性があります。

【独自】正直に伝えるべきか?転職成功者の体験談から学ぶ

懲戒解雇後の転職活動において、正直に伝えるかどうかは難しい判断です。

Yahoo!知恵袋や転職体験談サイトには、様々な経験者の声が寄せられています。

体験談から見える傾向

正直に伝えて転職成功したケース

  • 深く反省していることを具体的に説明した
  • 同じ過ちを繰り返さないための対策を説明した
  • スキルや経験をアピールし、即戦力として認められた
  • 中小企業やベンチャー企業で採用された

隠して転職したが後から発覚したケース

  • 前職調査で発覚し、内定取り消しになった
  • 入社後に発覚し、信頼を失った
  • 経歴詐称として再び解雇された

面接での伝え方のポイント

  • 事実を簡潔に説明する(詳細を長々と話さない)
  • 反省と学びを具体的に伝える
  • 今後どう改善していくかを示す
  • 前向きな姿勢と意欲をアピールする

すべての会社が懲戒解雇歴を理由に不採用にするわけではありません

反省の姿勢と今後の意欲を誠実に伝えることで、採用されるケースも多くあります。


懲戒解雇と失業保険に関する口コミ・体験談

実際に懲戒解雇を経験し、失業保険を受給した方々の声を紹介します。

同じような状況の方の参考になれば幸いです。

Aさん(40代男性)の体験談

経理担当として働いていましたが、会社の金銭を着服してしまい懲戒解雇となりました。
重責解雇に該当し、3ヶ月の給付制限期間がありました。
その間はアルバイトで生活費を稼ぎながら、転職活動を続けました。
正直に話すと書類選考で落ちることも多かったですが、最終的には中小企業で採用してもらえました。
深く反省していることと、二度と同じ過ちは繰り返さないという姿勢を伝えたのが良かったと思います。

Bさん(30代女性)の体験談

パワハラが原因で体調を崩し、出勤できなくなったところ、無断欠勤として懲戒解雇されました。
納得できなかったので、ハローワークで異議を申し立てました。
医師の診断書や、パワハラを受けていた際のメールなどを証拠として提出しました。
結果として重責解雇には該当しないと判断され、会社都合退職と同じ扱いで失業保険を受け取れました。
諦めずに相談してよかったです。

Cさん(50代男性)の体験談

能力不足を理由に懲戒解雇されましたが、これは不当解雇だと思い、弁護士に相談しました。
弁護士から会社に内容証明を送ってもらい、交渉の結果、解決金を受け取ることができました。
離職理由も会社都合に変更してもらい、失業保険も特定受給資格者として受け取れました。
一人で悩まず、専門家に相談することをおすすめします。

これらの体験談からわかるように、懲戒解雇でも状況は人それぞれです。

諦めずに情報を集め、必要に応じて専門家に相談することが大切です。


【独自】懲戒解雇と失業保険に関する体験談・事例集

ここでは、より詳しい3つの事例を紹介します。

それぞれ異なる状況での対応と結果を参考にしてください。

事例①|横領で懲戒解雇→重責解雇で3ヶ月の給付制限を受けたAさん

Aさん(42歳・男性)は、経理部門で10年以上勤務していました。

しかし、会社の経費を私的に流用していたことが発覚し、懲戒解雇となりました。

Aさんの状況

項目 内容
年齢 42歳
被保険者期間 12年
離職理由 横領による懲戒解雇
重責解雇の該当 該当
給付制限期間 3ヶ月
所定給付日数 120日(一般離職者)

Aさんは深く反省し、被害額は全額弁済しました。

刑事事件にはならなかったものの、重責解雇に該当し、3ヶ月の給付制限を受けることになりました

給付制限期間中は貯蓄を取り崩しながら、アルバイトと転職活動を並行して行いました。

転職活動では正直に事情を説明し、反省の姿勢を示したところ、最終的に中小企業の経理職で採用されました。

Aさんのアドバイス

「懲戒解雇されたことは消せない事実ですが、どう反省し、どう生かすかが大切です。」

「正直に話すと落ちることも多いですが、隠して後からバレるよりはずっといいと思います。」

事例②|無断欠勤を理由に懲戒解雇→異議申し立てで重責解雇を回避したBさん

Bさん(35歳・女性)は、上司からのパワハラが原因でうつ病を発症しました。

休職制度を利用しようとしましたが認められず、出勤できない日が続いた結果、無断欠勤として懲戒解雇されました

Bさんの対応

  1. 離職票を受け取り、離職理由を確認
  2. 「重責解雇」と記載されていることに異議を感じる
  3. ハローワークで離職理由について相談
  4. パワハラの証拠(メール、録音)と医師の診断書を提出
  5. ハローワークが会社に事実確認を実施
  6. 重責解雇には該当しないと判断される

結果として、Bさんは特定受給資格者として認められました

給付制限なしで失業保険を受給し、給付日数も180日と優遇されました。

Bさんのアドバイス

「会社が懲戒解雇と言っても、それが正しいとは限りません。」

「ハローワークで相談すれば、客観的に判断してもらえます。」

「証拠をしっかり残しておくことが大切です。」

事例③|能力不足で懲戒解雇→不当解雇として争い解決金を得たCさん

Cさん(52歳・男性)は、営業成績が振るわないことを理由に懲戒解雇されました。

しかし、能力不足は懲戒解雇の理由にはならないと考え、弁護士に相談しました

Cさんのケース

項目 内容
解雇理由 営業成績不振(能力不足)
会社の主張 再三の指導にも改善が見られなかった
Cさんの主張 適切な指導は受けていない、懲戒事由に該当しない
弁護士の見解 懲戒解雇は無効の可能性が高い

弁護士から会社に内容証明郵便を送付し、懲戒解雇の撤回を求めました。

交渉の結果、会社は懲戒解雇を撤回し、普通解雇(会社都合)として処理し直すことに同意しました

さらに、解決金として給与3ヶ月分を受け取ることができました。

失業保険も特定受給資格者として受給でき、給付日数は270日となりました。

Cさんのアドバイス

「懲戒解雇と言われても、法的に有効とは限りません。」

「おかしいと思ったら、弁護士や労働基準監督署に相談してください。」

「専門家に相談することで、状況が大きく変わることがあります。」


懲戒解雇と失業保険に関するよくある質問(FAQ)

最後に、懲戒解雇と失業保険についてよく寄せられる質問にお答えします。

Q1. 懲戒解雇になったら失業保険は一切受け取れないのですか?

A. いいえ、受け取れます。

懲戒解雇でも、雇用保険の被保険者期間などの条件を満たしていれば失業保険を受給できます。

「懲戒解雇=失業保険がもらえない」というのは誤解です。

ただし、重責解雇に該当する場合は3ヶ月の給付制限期間があり、給付日数も少なくなります。

Q2. 懲戒解雇は会社都合退職として扱われますか?

A. 重責解雇に該当するかどうかで異なります。

重責解雇に該当する場合は、自己都合退職と同様の扱いになります

給付制限期間が発生し、給付日数も一般離職者と同じになります。

重責解雇に該当しない場合は、会社都合退職(特定受給資格者)と同様の扱いを受けられる可能性があります。

Q3. 懲戒解雇された場合の失業保険の給付日数は何日ですか?

A. 重責解雇該当の場合は90日〜150日、非該当の場合は90日〜330日です。

重責解雇の該当 給付日数
該当する場合 90日〜150日(一般離職者と同じ)
該当しない場合 90日〜330日(特定受給資格者と同じ)

具体的な日数は、年齢と被保険者期間によって決まります

Q4. 懲戒解雇後もハローワークで相談することはできますか?

A. はい、できます。

むしろ積極的に相談することをおすすめします。

ハローワークでは、適切な離職理由の判定や、再就職支援を受けられます

離職理由に異議がある場合も、ハローワークで相談できます。

Q5. 懲戒解雇の待機期間と給付制限期間の違いは何ですか?

A. 待機期間は全員共通の7日間、給付制限期間は重責解雇該当者のみ3ヶ月間です。

期間の種類 対象者 期間
待機期間 全員 7日間
給付制限期間 重責解雇該当者・自己都合退職者 2〜3ヶ月

待機期間は失業状態を確認するための期間で、全員に適用されます

給付制限期間は、重責解雇に該当する場合や自己都合退職の場合に適用されます。

Q6. 懲戒解雇された事実は次の就職先にバレますか?

A. 雇用保険の手続きからは直接バレませんが、他の経路で発覚する可能性はあります。

雇用保険被保険者証や源泉徴収票には、懲戒解雇の事実は記載されません

ただし、前職調査やリファレンスチェックで発覚する可能性はあります。

経歴詐称は後から発覚した場合のリスクが高いため、正直に伝えることを検討してください。

Q7. 離職票に書かれた解雇理由に納得できない場合はどうすればいいですか?

A. ハローワークで異議を申し立てることができます。

離職票に記載された理由と実態が異なる場合は、ハローワークで相談しましょう。

証拠となる資料(メール、診断書、録音など)を持参すると、判断の参考になります

ハローワークが会社に事実確認を行い、客観的に判断してくれます。