退職代行で失敗するケース3つ|トラブルを避ける方法も解説

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退職代行に興味があるものの、利用にあたり不安を感じてませんか?

本記事では人事を10年以上経験した筆者が退職代行サービスの失敗やデメリットについて紹介しています。

トラブルを避ける方法も紹介していますので、退職代行の利用の前に必ずチェックをしておきましょう。

退職代行で失敗するケースとは

退職代行でスムーズに退職できるケースは多いものの、失敗する可能性は低いながらあります。

退職代行サービスからの連絡に対して企業が取り合わないかったり、企業から本人へ嫌がらせ、業務を突然放棄することで企業に与えた損害賠償などが様々なケースが想定されるためです。

ここでは、退職代行で失敗するケースを紹介していきます。

企業が社員以外と話すつもりはないと言われる失敗するケース

退職の申し出は労働契約を結んでいる社員本人がするのが一般的です。

退職に関して企業は、労働紛争などがあった場合以外では第三者と話をする義務はありません。

そのため、企業が第三者の退職代行サービスからの連絡に応答しない場合も想定でき、退職の失敗につながる可能性があります。

厚生労働省のモデル就業規則にも、「労働者が退職を願い出る」と記載されています。

モデル就業規則の退職について

(退職)
第52条 前条に定めるもののほか、労働者が次のいずれかに該当するときは、退職とする。
① 退職を願い出て会社が承認したとき、又は退職願を提出して___日を経過したとき

モデル就業規則|厚生労働省

企業としては「自己都合で退職した証明」として退職届または退職願が欲しいというのが本音です。

本人の退職希望を確認しないまま、第三者である退職代行からの連絡で退職手続きを取れない企業の立場もあるためです。

退職届または退職願があれば後から「解雇された」など会社と社員の間で労働紛争のリスクを抑えられます。

もし、企業と退職代行サービスの間でスムーズに手続きが進まなかった場合、弁護士以外は交渉できません。

弁護士以外が交渉などを行えばいわゆる「非弁行為」となって違法行為となります。

退職を伝えてそのまま受理されれば退職代行業者だけでも問題ないですが、トラブルに備えて弁護士が運営する退職代行サービスを選ぶと良いでしょう。

有給び消化を失敗するパターン

有給休暇が残っている場合は消化した後に退職したいと考える方が多いでしょう。

しかし、有給休暇の残数分の消化についてなどは原則として本人の申し出が必要です。

弁護士資格を有さなければ非弁行為となります。

もし、有給休暇を使用して退職したい方にとっては失敗となるでしょう。

無断欠勤による懲戒解雇を適用され失敗するケース

無断欠勤をした後に退職代行サービスを利用した場合、懲戒解雇を適用されて失敗するケースがあります。

就業規則には懲戒解雇の事由が設けられているケースがあり、厚生労働省のモデル就業規則にも無断欠勤の日数と出勤の催促に応じなかった場合に懲戒解雇とすると記載されています。

モデル就業規則の懲戒解雇について

2 労働者が次のいずれかに該当するときは、懲戒解雇とする。ただし、平素の服務態度その他情状によっては、第53条に定める普通解雇、前条に定める減給又は出勤停止とすることがある。

① 重要な経歴を詐称して雇用されたとき。
② 正当な理由なく無断欠勤が___日以上に及び、出勤の督促に応じなかったとき。

モデル就業規則|厚生労働省

無断欠勤の日数は企業によって異なりますが、3日以上で懲戒解雇する企業もありますのでご注意ください。

もしも有給休暇等を届けずに欠勤し退職代行サービスを利用すた場合は無断欠勤にあたる可能性が高く懲戒解雇になるケースがあるでしょう。

結果的に会社を辞めることはできるかもしれませんが、退職金・失業手当・再就職で不利になる可能性があるため注意が必要です。

退職代行を使った後でトラブルになりがちなリスクと対策

退職代行サービスを使った後でトラブルになりがちなポイントをリスクとして紹介していきます。

退職代行サービスを使われた企業は、退職者に良い感情を持たないため嫌がらせ等のトラブルが発生する可能性があります。

例えば離職票を送ってもらえない場合は、失業保険を受け取れないなどの問題が発生します。

事前に把握しておき、前もって対処できるようにしておくことが大切です。

離職票を発行してもらえない

退職代行サービスを使われた企業が、退職者に離職票を発行しないといったトラブルが発生する可能性があります。

離職票を受け取れないと失業保険を受け取ることができません。

さらに退職事由が懲戒解雇の場合は失業保険の受給そのものが遅れてしまいます。

もし、依頼しても送付されない場合はハローワークの担当者に連絡をしてみましょう。

ハローワークに「企業から離職票を発行してもらえず困っている」と伝えればハローワークで再発行することが可能です。

ただし、離職票は発行手続き手間がかかる書類のたね2週間程度の時間がかかることがあります。行き違いにならないようにご注意してください。

私物を送ってもらえない

会社のキャスターやロッカーに残された私物を送ってもらえないといったトラブルがあります。

特に机やロッカーなどは、業務をする人のために用意されているため、退職者の私物を早々に処分する会社もあります。

退職代行を使った手前、自分で取りに行くのも気が引けるでしょう。

そのため、私物などは退職までの間にできる限り家に細かく持って帰るなどの対処をするようにしてください。

源泉徴収票を送ってもらえない

退職した企業から源泉徴収票が送ってもらえないといったトラブルが発生する可能性があります。

源泉徴収票は主に、転職先の会社や確定申告で提出が求められ、無いと困ることにでしょう。

送付されない場合は税務署に源泉徴収票の不交付の届出書を提出する旨を伝えてみましょう。

源泉徴収票の不交付の届出書を送付することで、税務署の調査が入る可能性があるため企業にプレッシャーを与えらえる可能性があります。

狭い業界の場合はうわさが流れる可能性もある

同業同士で人事担当者交流会などが頻繁に行われているため退職代行サービスを利用した噂が流れる可能性があります。

仮に同業他社とのつながりがなかったとしても、人事担当者同士で同じ地域の人事同士は仲が良い場合もあります

「〇〇さん、あんな社員だったよ。退職代行使ったよ」と悪い噂が流れることによって、転職がしづらくなる可能性もあるでしょう。

可能な限り、退職者本人から申し出ることが無用なトラブル抑制のポイントとなるでしょう。

退職代行の利用による失敗を回避する方法

退職代行の利用で失敗しないようにするには、弁護士が運営する退職代行を利用することが大切です。

弁護士資格を持たない場合、退職代行サービスは退職の意思を代理で伝える程度となり、スムーズに退職を了承されなかった場合は労働トラブルに発展する可能性があるためです。

ほとんどの場合、労働紛争に至ることはないでしょうが、弁護士以外では企業の経営者や人事と交渉はできません。

そのため、弁護士が運営する退職代行サービスの利用がより安心と言えるでしょう。

またブラック企業であったとしても経営者や人事は「法律には勝てない」ということはよく理解しています。

弁護士が運営している退職代行サービスを利用することで、スムーズに進みやすくトラブルの際も解決しやすいでしょう。

弁護士が運営する退職代行を利用するメリット

弁護士が運営する退職代行を利用することに他にどんなメリットがあるか解説します。

非弁行為の心配がない

弁護士資格がない人が報酬を得て法律事務を行うことは法律で禁止されています。

会社側も非弁行為ではないのかと疑い、聞く耳を持ってもらえない場合もあるため、弁護士であるというのは最大の武器になります。

退職にまつわる全ての手続きを代行してもらうことができる

弁護士であれば、退職の交渉以外にも様々な手続きや交渉を代行してもらうことが可能です。

例えば以下のような手続きがあります。

  • 退職金の請求
  • 未払いの残業代の請求
  • 退職日の設定
  • 離職票や源泉徴収票の請求
  • 私物返還の請求

ひとりで全ての交渉を行うのはとても骨が折れるため、弁護士の運営する退職代行に任せられるのは魅力です。

損害賠償請求などのリスクにも対応可能

ほとんどの場合会社から損害賠償を請求されることはありません。

しかし、余程の問題があり訴訟の可能性がある場合も弁護士の運営する退職代行であれば都度対応が可能です。

対弁護士であれば脅しで損害賠償請求すると言われることもないため、弁護士が運営する退職代行は心強い存在です。

まとめ

退職代行サービスの利用でスムーズに退職できるケースが多いですが、退職代行は一般的なサービスではなく企業の対応がイレギュラーなケースも発生します。

企業の経営者や人事が感情的となり、交渉が発生すると失敗やトラブルが発生するケースもあるでしょう。

そのため、基本的には本人が退職の意向を伝えるべきです。

しかし、どうしても退職代行サービスを利用したい場合は弁護士が運営する退職代行サービスを選ぶことで失敗やトラブルを回避しやすくなるでしょう。

弁護士がいないと労働紛争に発展した場合には、対応できません。

また、離職票の発行依頼、源泉徴収票の送付依頼、私物の処理については事前に把握しておくことでよりスムーズに退職が可能となるでしょう。