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新型コロナウィルス対策で一躍注目!雇用調整助成金とは何か?実際いくら補填されるのか?元審査官が解説!!(簡素化措置についても、下部に追記しました)

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新型コロナウィルスの影響対応として話題になっている、雇用調整助成金。名前を聞いたことがあるが実際にはどのような助成金なのか気になる方も多いかと思います。ハローワークで実際に支給申請審査に携わった元労働局職員が詳しく解説します。(8月2日最新情報に更新しました)
※簡素化措置については下部をご覧ください。

1.助成金の趣旨、目的は?

厚生労働省のホームページでは「景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な雇用調整(休業、教育訓練または出向)を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合に助成されます。」と概要が記載されています。細かくいいますと、労働基準法上の休業手当の支払義務が事業主に生じる場合に対象になります。単純に天災で工場の操業ができなくたった場合は本来対象外です。(事業主に休業手当の支払い義務が生じない)ただし、結果的に天災等によって事業活動に支障が生じた場合には対象になります。今までもリーマンショックや東日本大震災の時には多く活用されて、雇用の維持に役立ちました。

 

2.労働基準法上の休業手当(労働基準法第26条)とは

厚生労働省のホームページでは「使用者の責任で労働者を休業させた場合には、労働者の最低限の生活の保障を図るため、使用者は平均賃金の6割以上の休業手当を支払わなければなりません。したがって、「働いていないから給料を支払わないのは仕方ない」ということはなく、休みが会社の都合である以上、一定程度の給料を保障する必要があります」と記載されています。

では、平均賃金の計算方法を見ていきましょう

①原則的な計算方法

事由の発生した日以前3か月間に、その労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で除した金額です。(労働基準法第12条)

②例外的な計算方法

賃金が日額や出来高給で決められ労働日数が少ない場合、総額を労働日数で除した6割に当たる額が高い場合はその額を適用(最低補償)

(計算例) 2月から休業開始、11月、12月、1月とも総支給月額30万円

90万円÷92日間(歴日数)=9,782円60銭(銭未満切り捨て)

9,782円60銭×60%=5,870円(銭未満切り上げ)

となります。

詳しい平均賃金の計算方法は下記神奈川労働局のホームページをご覧ください。

https://jsite.mhlw.go.jp/kanagawa-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/saiteichingin_chinginseido/heikinchi.html

 

3.雇用調整助成金で助成される金額は?

勘違いしやすいところですが、前記で記載した休業手当の金額の3分の2助成されるのではありません。前年度の賃金総額を使い全社員平均の平均賃金を出して計算式で算出します。(助成金支給申請時の書類は様式第5号(2)を使用します)

(計算例※先の記載社員一人だけいた場合です)

前年度賃金総額360万円、休業手当の支払い率所定労働分の賃金の60%、年間平均雇用保険被保険者数1人、年間所定労働日数240日の場合

(1)前年度1年間の雇用保険の保険料の算定基礎となる賃金総額 360万円

(2)前年度1年間の1箇月平均の雇用保険被保険者数 1人

(3)前年度の年間所定労働日数 240日

(4)平均賃金額 [(1)/((2)×(3)) 15,000円

(5)休業手当等の支払い率 60%

(6)基準賃金額[(4)×(5)]9,000円

(7)1人日当たり助成額単価[(6)×助成率( 中小企業4/5 ) 7,200円

(上記の(7)の助成額の最高額は基本手当日額の最高額までとなります(令和2年6月12日時点で基本手当日額の最高額は15,000円です))
※この助成率が4月1日から中小企業は4/5(解雇等が無い場合は10/10)に上がっています。

 

先に計算した結果と比べると不思議なことに休業手当の金額を上回り助成されることとなります。これは、年間所定労働日数240日を計算に用いるためとなります。(後述する通り、平均賃金で休業手当を支給する場合は助成額が低く算出されます)

ただし、賃金の日割り計算をする際に、所定労働日数によらず、所定労働日数より大きな任意の日数や暦日数を用いる場合は、365日で計算することとなりますので、金額は少なくなります。
※休業手当を平均賃金で算出する場合は、歴日数(365日)を使います。よって、助成額が少なくなりますので注意してください。
また、全社員の賃金総額で見ますので、相対的に給与の低い社員を休ませると助成される割合が上がります。賃金総額は前年度の労働保険料申告書でご確認ください。

4.雇用調整助成金受給での注意点は

雇用調整助成金は落とし穴という部分がいくつかあります。列記していきます。

・休業対象者が残業した場合は、相殺されその分助成金の対象となる日数より減らされます。※この残業相殺が1月24日に遡及して停止されます。

・休業日に自主的に出社した社員を申請対象にしてはいけません。よく、ボランティアと称したたり、出張日に充てたり、健康診断実施日にしたりした日を申請する企業もありますが、不正な支給申請として処分されます。

・特例があるとき以外は事前の計画申請が必ず必要です。また、申請した計画に変更がある場合が必ず変更届が必要になります。ただし、休業予定者が実際に休業しなかった場合は不要になります。

※今回のコロナウィルスの関係では、計画申請が不要になりました。

・対象労働者には、解雇予定者、退職勧奨を行ったもの、退職願いを提出した人は含まれません。

・休業手当の支払率は100%でも問題ありません。平均賃金の60%以上であれば、事業主が自由に設定できます。先の計算式の(5)の額が上がるので助成金金額も上がります。

・賃金台帳には休業手当額の明記が原則必要です。ただし、休業手当の支給率が100%の場合は明記が不要と簡素化されました。

5.まとめ

今回の新型コロナウィルスの影響対応の特例により、雇用量要件(従業員が一定数以上増えていないこと)や生産量の比較が3か月平均から1か月平均に緩和等々、大幅に使いやすくなっています。厚生労働省のホームページで内容を随時確認しながら、助成金申請を進めて行きましょう!!

※助成率が再拡充され、労働基準法上の基準(60%)を超える高率の休業手当が支払われ、また、休業等要請を受けた場合にも労働者の雇用の維持と生活の安定が図られるよう、解雇等を行わず雇用を維持する中小企業に対し、、休業手当全体の助成率を100%にすることとなりました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html

【新型コロナウィルス対応の簡素化措置について】

新型コロナウィルスの対応としてとして、一躍注目を集める雇用調整助成金。今までは複雑で申請件数も少ない助成金でしたが、大幅に緩和がされ使いやすくなっています。今回は緩和措置と書類の簡素化に分けて解説します。
※8月2日に修正しました。

1.雇用調整助成金の今回の緩和措置の趣旨、目的は?
厚生労働省のホームページ雇用調整助成金は「景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、一時的な雇用調整(休業、教育訓練または出向)を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合に助成されます。」と概要が記載されています。今までは、経済上の理由の判定や従業員の雇用の維持目的を厳格に判断するために、複雑な要件や添付書類が設けられていました。今回の緩和措置はコロナウィルスの蔓延による経済の急な落ち込みに対応するために、様々な要件を取り払ったことが特徴になります。

 

2.4月1日からの緊急対応期間に関する緩和措置

①生産指標の要件緩和
今までは、計画届の提出前3か月間の生産性指標(売上や生産高や工事高)が対前年同月比で10%の減少が必要でしたが、計画届の提出前1か月間の生産性指標の対前年同月比5%の減少と短縮、緩和されています。(また、前年と比べて減少していない場合、前々年と比べることが可能です)
※ただし、休業期間が1月24日~3月31日までの休業については、対前年比1か月間の10%の減少が必要とされています。
この生産性指標の確認は休業開始した月で見ます。子致死の4月からの休業であれば前年4月、又は前々年の4月、又は2月、3月と対前年の2月、3月、もしくは前年の5月から今年の3月までの間でどこかで5%以上減少していれば問題ありません。

②雇用量要件の廃止(1月24日まで遡及)

今までは雇用量(雇用する人の数が)対前年比で増加している場合(最近3か月の雇用量で判断)が対象外でしたが、廃止されています。

③雇用保険適用事業所設置後1年未満の事業所でも対象
この場合の、生産指標の確認は提出があった月の前月と令和元年12月を比べます。(この部分が4月22日に再改正され、必ずしも12月ではなく計画届提出の前々月から直近1年間の比較月との比較によって減少の判定ができることとなりました)

④休業規模の要件緩和(1月24日まで遡及)
休業等の延べ日数が対象労働者に係る所定労働日数の1/20(中小企業)、1/15(大企業)以上となるものであることとしていましたが、これを1/40(中小企業)、1/30(大企業)以上に緩和します。

⑤短時間休業の緩和(1月24日まで遡及)
今まで、短時間休業については雇用保険適用事業所の労働者が一斉に休業する必要がありました。今回の緩和措置で部門、店舗ごとの休業も対象となりました。

⑥残業相殺制度の停止(1月24日まで遡及)
今まで、残業相殺(例えば所定1日8時間労働で、休業対象者が月16時間残業した場合、休業の助成される日数から2日間減らされること)がありましたが、停止され休業日数そのまま払われます。

⑦自宅での教育訓練も可能
今まで自宅での教育訓練は一律不可でしたが、可能とされました。また、マナー、セクハラ、パワハラ、メンタルヘルス研修等も認められます。ただし、厳格な受講確認(自筆での受講レポートの作成等)が求められています。

3.大幅な書類や手続きの簡素化

①計画の提出が不要へ
今までは必ず休業の前日までに計画届の提出が必要でした。これにより計画届の提出が不要になります。

②休業協定書に添付する委任状の提出が不要に
休業を開始する前に労働者代表との間で休業手当の支給率や対象者を決めた休業協定書を締結する必要があります。(休業協定書の有効期間は1年以内とされています)今までは、個々の労働者が労働者代表に協定書結ぶ権利を委任するための「委任状」も計画届に添付する必要があるとされていました。実際、自宅での勤務や待機、外出自粛要請が出ている中でこの委任状集めが大きな負担になっていました。今回、この委任状の提出が不要とされました。

③記載事項の大幅削減
各届出書類が見直されて、大幅に簡素化されました。具体的には今まで月ごとのカレンダーに個々の休業対象者の出勤、休業状況の記入が必要とされていましたが、判定基礎期間ごとの各労働者の総日数を記載する方式に変更になりました。
また、20名以下の会社向けの小規模企業版も創設されました。

詳しくは私が練馬ビジネスサポートセンターで講義した際の動画のリンク先をご参照下さい。
・小規模事業者が楽々できる 雇用調整助成金の申請方法 ~新型コロナ対応~

https://nerisapo.com/2020/06/12/business5/

 

④休業手当100%支給時の休業手当明記が不要に
今まで、賃金台帳に休業手当額の明記が必要とされていました。今回の簡素化で休業手当が所定給与の100%支給されている場合は、賃金台帳への休業手当の明記が不要となりました。ただし、休業手当率が100%でない場合は明記が必要となります。

(記載例)給与20万円、所定労働日20日、休業日10日の場合
・給与20万円
・休業日分減額 10万円(欠勤控除でも構いません)
・休業日数10日
・休業手当10万円

システムの都合上、休業分の明記が難しい会社もありました。休業手当100%の場合の明記不要措置は助かるのではないでしょうか。

⑤風営法関連業種に関する特例及び労働保険料を納付していない事業主等に関する特例、労働関係法令違反事業主に関する特例が設けられました。
今まで対象にならなかったこれらの事業主においても、風営法関連業種事業主においては2月28日から、労働保険料を納付していない事業主等に関する特例、労働関係法令違反事業主に対しては4月1日から緊急対応期間中は対象となりました。

4.緊急雇用安定助成金の創設

雇用保険の被保険者以外向けとして「緊急雇用安定雇用助成金」が創設されました。雇用保険の加入者でなくても、雇用保険の適用事業所でなくても対象になります。主な特徴としては
・休業のみ対象(教育訓練や出向は対象外)。
・雇用保険被保険者以外の労働者であれば全て対象(学生アルバイト等も対象)。
・実際に対象労働者から支払われた休業手当額の総額から計算されて支給される。

などがあげられます。

 

5.まとめ&助成率再拡充

今回の緊急対応期間中は助成率が5分の4(中小)、3分の2(大企業)(解雇等を行わない場合は10分の10(中小)、4分の3(大企業))になる引き上げ措置や教育訓練の加算額が2400円(中小)、1800円(大企業)に増加する措置も含まれています。また、上限額を15,000円に上がりました。上手に活用して雇用の維持に取り組んでいきましょう!!

※解雇等には、喪失原因3となる解雇や退職勧奨の他に、自社が受けている派遣社員の契約中途解除も含まれます。また、雇用の維持(1月24日の事業所労働者と比較して5分の4以上の労働者が在籍していること)も必要です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html

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